- 2024.05.03 | 就活コラム
- 【課題解決力の向上】中間管理職に求められる能力と職場での取り組み
今回の記事では、課題解決力について求められる能力や具体的な方法論を紹介しています。
明日から即実行できるような職場での取り組みもわかりやすくまとめました。
また、記事後半では課題解決力が活かせる職種についても紹介しています。
よかったらあわせて参考にしてみてください。
CONTENTS
目次
1.中間管理職に求められる「課題解決力」とは
与えられた業務を遂行するプレイヤーとは違い、社内全体を俯瞰的に把握し、組織状態の改善を任務とする中間管理職にとって「課題解決力」は必須のスキルです。
そもそも課題というのは、再発防止も含めて、決まったプロセスを経て初めて解決することができます。
例えば、課題解決のプロセスには以下の5つのステップがあります。
①解決目標の決定
問題を認識し解決すべきテーマであると考え、解決目標を決定する。
②原因調査
問題の起因となることを調査する。また解決目標との間にある様々な課題を探り、関連性を分析する。
③解決策の立案
問題の原因を取り除く解決策を考える。
④解決策の実施
解決策を実行する計画を立て実施する。
⑤結果の評価
期待した結果と比較し評価する。解決しなかった場合、分析を行い新たな対策を練る。
以上のプロセスからもわかるように、課題解決には状況を瞬時に把握し、的確な分析で適切な対策を実行していくことが必要となります。
プレイヤーでは担えない部分だからこそ、課題解決力は中間管理職に欠かせないスキルだと言えるでしょう。
「課題解決力」とは具体的にどのような能力なのか、次の章でみていきましょう。
2.課題解決に必要な3つの能力
課題解決力とは、次の3つの能力で構成されています。
・状況把握能力
・分析力
・実行力
■状況把握能力
課題解決力を構成する1つ目の能力は「状況把握能力」です。
まずは現状の問題点に気づき、改善が必要だと認識することが重要だからです。
中間管理職は、上層部と部下の橋渡しをする役割を担うため、会社方針の浸透だけでなく、適切な形で部下に業務を遂行させることが求められます。
例えば、複数の案件を同時並行で対応するには「時間管理のマトリクス」が有効です。
現状のタスクを重要度と緊急度の軸で整理し、適切な優先順位を把握した上で改善事項を洗い出すことは、課題解決に向けた不可欠な能力といえるでしょう。
■分析力
課題解決力を構成する2つ目の能力は「分析力」です。
課題を根本的に解決させるには、それを引き起こした原因を突き止める必要があります。
固定概念に捉われることなく“ゼロベース思考”で課題と向き合い、潜在化している問題も含めた、本質的な原因究明が重要です。
分析力とは、「なぜ?」を繰り返すことで1つ1つの事項の「事実」と「関係性」を明確にし、改善と解決策を導き出す上では欠かせない能力といえます。
■実行力
課題解決を構成する3つ目の能力は「実行力」です。
いくら問題を認識し原因を明確にしても、行動が伴わなければ課題解決には至りません。
目標に対して戦略的に実施することを意味する実行力には、
・目標設定
・実施方法
の設定が重要となります。
特に中間管理職の役割の一つは、自分よりも周りを動かすことです。
能力に応じた最適な目標設定と実施方法を明示し、自他への行動に落とし込む実行力は、課題解決に対する適切なリソースを配分するためにも必須の能力といえます。
3.課題解決力を向上させる方法
今回は課題解決力を向上させる方法として
・論理的思考力を鍛える
・ギャップから考える
の2つをご紹介します。
職場でも取り組みやすいフレームワークを軸に解説していますので、ぜひ参考にしてほしいと思います。
【論理的思考力を鍛える】
論理的に思考するには「ロジックツリー」の考え方を癖付けることが有効です。
ロジックツリーとは非常にシンプルなフレームワークですが、中間管理職に限らず、コンサルタントや経営者の多くも、論理的な原因究明と課題解決の手段として活用しています。
以下は、「売上」のロジックツリーを大まかに考えたイメージ図です。
[第1層] [第2層] [第3層] [第4層]
■「売 上」⇒「客 数」⇒「 新 規 」⇒「…」
⇒「…」
⇒「リピーター」⇒「…」
⇒「…」
⇒「客単価」⇒「 商品単価 」 ⇒「…」
⇒「…」
⇒「 購入点数 」 ⇒「…」
⇒「…」
■「費 用」⇒「固定費」⇒「 家 賃 」⇒「…」
⇒「…」
⇒「変動費」⇒「 材料費 」⇒「…」
⇒「…」
このように関連事項を論理的に分解させると、例えば
・客数減少は、新規客か既存客の失客か?
・客単価の変動は、売れ筋商品の変化か点数の増減か?
・各費用において、削減できるコストはないか?
といった、一つ一つの課題に対する対策を整然と考えることができます。
【ギャップから考える】
課題解決力向上において、“現状”と“あるべき姿”の差異から実施すべき行動を導き出す「ギャップ分析」の視点を持つことも効果的です。
例えば、「効率的な部下育成」で考えると以下のようなイメージになります。
■部下育成には、どのレベルまで引き上げるかという「明確な達成基準」が必要
⇒そのためには、社内体制として「研修制度の充実」が必要
⇒そのためには、全員が同じ基準で実行できる「業務マニュアルの運用」が必要
⇒そのためには、………
このように現状とあるべき姿のギャップから「何をすべきか」を繰り返し考え、施策と行動を深く掘り下げることは、戦略的に課題を解決する方法として非常に有効です。
今回紹介した2つの方法を、中間管理職として、少しでも自身のスキルアップと社内マネジメントに役立ててもらえたらと思います。
4.まとめ
この記事では、中間管理職に求められる「課題解決力」として、
・課題解決に必要な3つの能力
・課題解決力を向上させる具体的な方法
をご紹介してきました。
高い課題解決力があれば、社内統制や部下育成に留まらず、様々な環境で活かすことができます。
例えば、社外にも強い影響力を発揮する「経営コンサルタント」のような職種においては、圧倒的な武器といっても過言ではありません。
経営コンサルタントは、クライアントの財務や管理資料、経営者の声、現場の視察をもとに分析し、顕在化した課題の抽出と解決策の提案を行います。
そうした業務の中で、顧客に新たな付加価値を生み出すことのできる魅力的な仕事でもあります。
ひかり税理士法人では、社内外問わずあらゆる課題改善に取り組み、常に挑戦し、自身と会社の成長に対して積極的なプロ意識の高いスタッフが大勢在籍しています。
また、税理士資格なしでもコンサルタントとして第一線で活躍しているスタッフもいます。
もし、管理職の経験を活かしながら、よりやりがいのある高付加価値サービスの提供に興味を持つのであれば、さらなるステップアップとして当法人で「コンサルタント」を目指してみてはいかがでしょうか。