- 2024.03.20 | 就活コラム
- 税理士の繁忙期と閑散期~年間スケジュールと仕事内容~
税理士の仕事は常に忙しいイメージがありませんか?
確かに税理士は忙しい仕事ですが、繁忙期と閑散期が明確な職種でもあります。
今回は税理士の繁忙期と閑散期、年間スケジュールと仕事内容を紹介します。
ぜひ、税理士就職後の1年間をイメージしながら読んでみてください。
CONTENTS
目次
1.税理士の繁忙期
税理士の繁忙期は一般的には11月~5月となっています。
税理士が必要とされる税務関連の業務や提出時期が長期にわたっているため、繁忙期の期間としては長い、という印象を受けるかもしれません。
繁忙期の内訳は以下のようになっています。
■11月前半~12月後半:年末調整
・顧客企業からの依頼で年末調整の代行(年末調整各種申告書の確認、年税額計算、源泉徴収票作成)
■1月前半:年末調整(給与支払報告書作成・法定調書作成)、償却資産税申告
・給与支払報告書を作成し、1月31日を期限として市区町村へ住民税の申告をする
・法定調書を作成し、1月31日を期限として税務署へ提出する
・1月31日を期限として市町村へ償却資産税の申告をする
■1月後半~3月前半:確定申告
・個人事業主の確定申告書の作成、税務署への提出を行う
・申告期間が毎年2月16日~3月15日と決まっているため、業務が集中する
■3月後半~5月後半:法人決算
・顧客(法人)の決算月の末日から2ヶ月以内を申告期限として、法人税や消費税等の確定申告書の作成、税務署への提出を行う
・3月決算の法人が多く、特に大企業は3月決算が多いので決算が集中する
→全国1,750,071社のうち、19.2%の335,204社が3月決算
→資本金1億円以上の29,937社のうち、59.1%の17,706社が3月決算
(総務省統計局 平成 26 年経済センサス‐基礎調査(確報)より)
参考URL:http://www.stat.go.jp/data/e-census/2014/pdf/kaku_gaiyo.pdf
尚、担当する顧客によっては上記の限りではなく、決算月が違えばその月が忙しくなります。
2.税理士の閑散期
税理士の閑散期は一般的に6月~10月です。
閑散期は巡回監査や月次決算といった通常業務を中心に行います。
【巡回監査】
顧客企業に出向いて、経理が正しいか帳簿のチェックを行う業務です。
【月次決算】
顧客企業の経営者に正確な業績などを報告する月ベースの決算で、決算の基礎となります。
閑散期はルーティンタスクが少なくなることから、税理士試験やその他各種資格の勉強に最適です。
税理士試験は毎年8月に行われるため、試験前に集中して勉強するチャンスでもあります。
また、転職が多いのも閑散期の間です。
税理士は繁忙期と閑散期がはっきりしているため、プライベートにおいてもスケジュールを立てやすいというメリットがあります。
3.年間スケジュールと仕事内容
ここまで、繁忙期と閑散期を紹介しました。
では、年間を通してどのような仕事を行っているのかご存知でしょうか。
以下では、4月~3月までのスケジュールを紹介します。
■4月
・法人決算(3月決算法人)
・月次決算
・巡回監査
■5月
・法人決算(3月決算法人)
・税務申告
・月次決算
・巡回監査
■6月
・月次決算
・巡回監査
■7月
・月次決算
・巡回監査
■8月
・月次決算
・巡回監査
■9月
・月次決算
・巡回監査
■10月
・月次決算
・巡回監査
■11月
・月次決算
・巡回監査
・年末調整
■12月
・月次決算
・巡回監査
・年末調整
■1月
・月次決算
・巡回監査
・住民税申告
・法定調書作成
・償却資産税申告
■2月
・確定申告
・月次決算
・巡回監査
■3月
・確定申告
・法人決算(3月決算法人)
・月次決算(3月決算以外の法人)
・巡回監査
このように年間を通して行われる業務と、月が決まっていたり集中したりしている業務があることがおわかりいただけるかと思います。
前述した通り、法人決算は3月決算の法人ばかりではありません。
担当顧客の決算によって通年業務として税務調査の立ち会い、税務相談やコンサルティングのように顧客の都合に合わせて行われる業務もあります。
4.まとめ
今回は税理士の繁忙期と閑散期の紹介をしましたが、いかがでしたか。
税理士の繁忙期は11月~5月と長く、その間には年末調整、確定申告、法人決算といった大きな業務を次々にこなさなければなりません。
また、閑散期は6月~10月で、この間に税理士試験の勉強や他の資格の勉強を集中して行うことができます。
年間スケジュールを見て、税理士就職後のイメージはできたでしょうか。
就職してすぐは研修や補助業務等で経験を積んでいく時期です。
税理士補助業務については、『【税理士補助の仕事】補助税理士との違いや業務内容について解説』で詳しく解説してあります。
また、税理士就職後に働きながら税理士資格を取得したい場合は、『【税理士】働きながら合格を目指すための秘訣【成功例】』でも紹介していますのでチェックしてみてくださいね。
ひかり税理士法人では、以下のように業界未経験でも安心な、段階的に学べる研修制度を設けています。
①ビジネスマナーや会計業務の基礎を学ぶ「新人育成基礎研修」
②法人決算や確定申告などにチャレンジして、実務力を養う「新人育成実務力養成研修」
③先輩の指導を受けながら、顧問先への訪問数を増やす「担当者育成OJT研修」
※詳しい研修制度については「こちら」
税理士試験受験の為に試験休暇や限定職員制度、合格奨励金制度等のバックアップ体制も充実しています。
また、繁忙期に残業が多くても、残業手当は全額支給なので安心です。
就職後に着実にスキルを身に付けたい方には、制度や機会、刺激も多いひかり税理士法人で、共にチャレンジしてみませんか?