- 2023.08.25 | 就活コラム
- 会計士の転職事情と近年の求人採用動向について
今回の記事では、公認会計士の近年の転職事情を解説しています。求人採用動向や転職理由、転職先も紹介していますので、参考にしてください。
CONTENTS
目次
1.近年の専門職全体の就職動向
厚生労働省より、会計士を含む「学術研究、専門・技術サービス業」の入職と離職の推移が発表されました。
■平成26年
・入職者数 170.6千人
・離職者数 163.9千人
■平成27年
・入職者数 180.0千人
・離職者数 149.9千人
■平成28年
・入職者数 254.4千人
・離職者数 178.1千人
■平成29年
・入職者数 207.1千人
・離職者数 182.7千人
■平成30年
・入職者数 159.6千人
・離職者数 145.5千人
平成26年から平成28年までは入職者数は増加傾向にありましたが、平成29年を境に激減しています。
業界人口の減少により、専門性の高い業種の売り手市場は今後も続くと予想できるでしょう。
2.会計士の会員数と採用動向
専門職業界の人口が減る一方で、日本公認会計士協会が発表している会計士会員・準会員数の推移をみると、会計士自体の総数は2010年から増加傾向にあります。
■会員・準会員数の推移
・2010年(12月) 30,092名
・2018年(12月) 37,243名
・2019年(8月) 38,231名
(※日本公認会計士協会より引用)
会員になった会計士はどこで採用されているのか、就職先として代表的な11つの監査法人を調べてみました。
<監査法人別 公認会計士(試験合格者等含む)在籍数一覧>
■有限責任あずさ監査法人
・2019年7月 4,406名
(2018年 4,472名)
■有限責任監査法人トーマツ
・2019年5月 4,574名
(2018年 4,504名)
■EY新日本有限責任監査法人
・2019年6月 4,114名
(2018年 4,046名)
■PwCあらた有限責任監査法人
・2019年6月 1.535名
(2018年 1,642名)
■太陽有限責任監査法人
・2019年月6月 437名
(2018年 422名)
■PwC京都監査法人
・2019年8月 132名
(2018年 165名)
■東陽監査法人
・2019年6月 309名
(2018年 376名)
■仰星監査法人
・2019年6月 302名
(2018年 244名)
■三優監査法人
・2019年9月 135名
(2018年 158名)
■明治アーク監査法人
・2019年9月 86人
(2018年 100人)
■ひびき監査法人
・2019年7月 152人
(2018年 168人)
【合計 16,182名】(各監査法人の公式HPより引用)
上記のデータから、2019年の会計士会員・準会員38,231名のうち、16,182名(約42%)が上記の11法人に在籍していることがわかります。
『税理士が転職に有利な理由・転職先・世代別転職動向【まとめ】』でも解説した通り、各法人や会計事務所では、拡大化に伴い税理士や会計士の採用ニーズが年々高まっていることから、引き続き各監査法人では会計士不足が推測されるでしょう。
組織内会計士協議会によると、「組織内会計士である会員・準会員」は2018年12月末日の時点で1,745名と発表しました。
全体数から11法人と組織内会計士を引いた、20,304名(約53%)の会計士は、小規模の監査法人や個人事務所、各企業などで活躍していると考えられるでしょう。
3.会計士の転職理由とキャリアパスについて
引く手数多な会計士の転職理由は、下記のようなものが挙げられます。
・英語力を活かして国際的なM&A案件に携わりたい
・もっとコンサルティングや提案に注力したい
・ワークライフバランスのとれる環境で働きたい
・独立して事務所を構えたい
独占業務をもつ会計士の仕事は、企業の信頼性を左右する重要な役割を担い、背負う責任も社会的意義も大きいです。
やりがいがある分、より高度な業務に挑戦していくような、ポジティブな理由で転職を考える方も少なくありません。
そんな向上心のある会計士は、前章で紹介した監査法人以外にも様々なところで求められています。
■中堅事務所
コンサルティング業務を行うなど業務の枠を拡大する傾向が強いです。会計士の転職市場としてチャンスが広がっています。
■専門特化型事務所
IT業界や福祉業界など業績が好調で規模の拡大が進んでいるため、求人ニーズが高まっています。
■一般企業
決算業務、開示資料作成、IFRS導入支援が求められています。
上場準備企業においては、月次決算の早期化、内部統制への対応、管理部門体制構築など、財務会計に関する高度な知識と監査業務等におけるマネジメント経験を持つ会計士の需要が高いです。
■その他
金融機関、投資会社、コンサルティングファーム等からも、海外進出のサポート業務、M&A、組織再編、事業再生分野にて財務デューデリジェンス業務に携われる会計士が求められています。
※尚、関連記事『個人会計事務所からキャリアアップするための3つの道』でも、会計士・税理士の転職先について解説しています。
併せて参考にしてみてください。
4.まとめ
公認会計士の近年の転職事情として、求人採用動向や転職理由、転職先がおわかりいただけたと思います。
公認会計士は、求人需要が高く、例年に続き売り手市場が予想されます。
世の中の動向や自身のビジョンを踏まえた上で、ミスマッチのない転職を成功させてほしいと思います。
当グループでは、ひかり税理士法人をはじめ、ひかり監査法人やひかり戦略パートナーズ株式会社など、自身の可能性を広げられる選択肢がいくつも用意されています。ぜひ転職先の1つとして検討してみてください。