1.震災復興のための税制改正
政府税制調査会は、東日本大震災からの復興財源のための税制改正大綱を決定しました。その主な内容は次のとおりです。
(1)復興特別所得税の創設
基準所得税額に対して4%の税率を乗じた 復興特別所得税(仮称)を平成25年から平成34年までの課税期間に課税する。
(2)復興特別法人税の創設
基準法人税額に対して10%の税率を乗じた復興特別法人税(仮称)を平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する事業年度において課税する。
(3)その他
復興特別たばこ税(仮称)の創設や個人住民税均等割の引上げ、更に所得税や相続税に係る平成23年度税制改正の確実な実施。
しかし、国会審議においては野党の反発等も予想される中、大綱の内容が実現するかどうかは予断を許さない状況といえましょう。
ひかりブランドの防衛
昨年の新年号でお伝えした、東京の「司法書士法人ひかり法務事務所」に対する商標権侵害による使用差止請求と損害賠償請求訴訟に対する東京地裁の判決がようやく出ました。内容的には、ほぼ私たちの主張が認められたものとなっているのですが、損害額の認定については、かなりディスカウントされています。
判決の主文(骨子)は次の通りです。
主 文
- 被告らは、司法書士業務のために、訴状の標章を使用してはならない。
- 被告X司法書士は、原告法人に対して、675万0738円及びこれに対する平成20年7月1日から支払い済みまで年5%の遅延損害金を支払え。
- 被告司法書士法人ひかり法務事務所は、原告法人に対して、353万4652円及びこれに対する平成23年1月1日から支払い済みまで年5%の遅延損害金を支払え。
- この判決の1~3項は、仮に執行することができる。
被告が、X司法書士と司法書士法人ひかり法務事務所に区別されているのは、X司法書士が法人成りをしたことによるもので、実態は同一です。被告はおそらく控訴するので、こちらも対応しなければなりませんが、そうなりますと舞台は、「知財高裁」に移ることになります。
新刊書籍のご案内
税理士法人の東京事務所が中心となって編集を進めていました「税金還付の実務75問75答」が上梓されました。還付に関する制度や各税法における還付の手続き規定等について体系的に整理・解説した実務解説書です。東日本大震災に係る特例項目に関しても収録しています。還付制度が一目でわかる便利な「税金還付マップ」が”ウリ”です。
TAC NEWSに紹介記事掲載
資格の学校TACさんが発行する「TAC NEWS」の「日本のプロフェッショナル」というコーナーに光田の記事が掲載されました。「第一線で活躍するプロフェッショナルが自らの独立・事務所開業までのプロセスや今後の事業展開、21世紀に求められるプロフェッショナル像を語るクローズアップインタビュー」ということで取材に応じた次第です。お時間がありましたら、こちらからアクセスしてください。
http://www.tac-school.co.jp/netnews/kaikeijin/kaikeijin_130.html
2.企業内階層別研修のご紹介
IT化、グローバル化が進展するにつれて、企業間競争がますます激化しています。このような厳しい時代を勝ち抜くためには、企業内に確かな人材が育っていることが必須条件となっています。
管理者は、企業の業績向上と人材育成、職場が活性化するための役割を求められるとともに、革新の担い手として、ダイナミックな管理を推進するリーダーとしての役割が求められます。新入社員も、早く社会人としての基礎力を身に付け、企業に貢献する人材となるよう育成していく必要があります。
このような声をお客様からいただき、ひかり経営戦略では、人材の若返り時期に「新任管理者研修」、全社員を対象とした「階層別研修」、店舗運営を対象とした「店長研修」など企業個々の状況・ニーズに合わせた企業内研修を実施しています。
そこで本稿では、全社員を対象とした目標管理制度の浸透と充実を目的とした「階層別研修」について具体例をご紹介いたします。人材育成について、考える機会としていただければ幸いです。
階層別研修(研修例)
1. 一般社員研修の概要とねらい
社員として一人立ちするために必要なことをワークショップ形式により自ら気づく研修
業務上の課題に対して考えるコミュニケーションツールを使った上司への決意表明など
- 目の前の仕事の目標や意義、全体業務のなかでの位置付けを理解する。
- 会社に期待されている役割を確認する。
- 業務の中での『報・連・相』の重要性に気づき、実践する。
2. 中間管理者研修の概要とねらい
社内のリーダー(課長)を育てるため、会社組織の経営理念を確認し、リーダーとし ての役割を理解する求められる役割を理解したうえで、3年後 の自らの目標と行動方針を策定する
- 管理監督者としての実践力の向上、職場の活性化を実践する。
- 部下育成の重要性に気づき、コーチング手法等を理解する。
- 次世代の幹部としてのマネジメント能力を身に付ける。
3. 幹部研修の概要とねらい
幹部(部長)として次世代の役員候補を育成する
部門の目標設定、人材育成プラン、組織マ ネジメントなどについて、会社方針と幹部間の意識の擦り合わせを行う
- 会社組織風土の確認と目指すべき組織を議論する。
- 自らが行わず、課長にさせるマネジメントのポイントを理解する。
- 部門の3年後のビジョンを策定、それに基づいた行動指針を発表し、他部門部長との方針を共有する。
ひかり経営戦略の研修会実施までのプロセス
ひかり経営戦略の研修は、一般的に定型化された集合研修ではなく、お客様のニーズに合わせるため、以下のプロセスにより研修内容を策定しています。また、研修を行うだけではなく、研修後の総括を人材開発担当者と行います。あわせてフォローアップ研修を行うことにより、次年度の研修につなげるなど、より効果的な研修を実施しています。
【研修会までのプロセス】
- 企業内の人材開発担当者と打ち合わせ
- 研修プログラムの作成
- 研修会の実施
- 研修終了後の総括とフォローアップ研修
人材育成研修について、詳しく聞いてみたいとお考えの方は、お気軽にお声掛けください。
3.消費税の計算方法が変更に!
平成23年度税制改正項目の中から、年商5億円超の事業者に影響が及ぶ消費税の改正論点についてご案内します。これは、95%ルールの改正といわれるもので、課税売上割合が95%以上の場合の仕入れに係る消費税の全額を控除できる方法が、年商5億円超となる法人については適用できなくなるというものです。
対象者については納付税額や事務負担の増加が予想されるため、早めの対策が必要となります。そこで今回は、具体的な改正内容とその対応策についてご説明したいと思います。
消費税の計算方法の原則
我が国の消費税は売上げに含まれる消費税(預かった消費税)から仕入れに含まれる消費税(支払った消費税)を差し引いた額を納税する、多段階累積控除という方法で計算しています。なお、原則として、消費税がかからない非課税売上(土地の売上や貸家の家賃収入など)に対応する仕入れに含まれる消費税については、これを差し引くことはできません。
実際の計算方式
仕入れに含まれる消費税の計算には、個別対応方式と一括比例配分方式という2つの計算方式があり、納税者が有利な計算方式を選択することができます。
個別対応方式とは、仕入れに含まれる消費税額を ①課税売上げに対応するもの、②非課税売上げに対応するもの、③両方に対応するもの、の3種類に区分して、控除の対象となる消費税額を計算する方式です。他方、一括比例配分方式とは、仕入れに含まれる消費税額の全額に課税売上割合(注) を乗じて、控除の対象となる消費税額を計算する方式です。
(注)課税売上割合とはその課税期間の総売上高のうち、課税売上高が占める割合をいいます。土地の譲渡など、非課税とされる取引が多い場合には、課税売上割合が低くなるために、控除の対象となる消費税額が少なくなります。
95%ルールとは?
今回改正された「95%ルール」とは、課税売上割合が95%以上であれば、仕入れに含まれる消費税の全額を控除することができるという、納税者に有利な計算方式をいいます。
(例) (単位:円)
●課税売上げ 2,000(税抜)・非課税売上げ 100
●課税仕入れ 1,890(税込)
(うち課税売上げ対応1,785、非課税売上げ対応105)
95%ルール適用あり
仕入れに係る消費税 1,890×5/105=90
納税金額 2,000×5%-90=10
95%ルール適用なし(個別対応方式)
仕入れに係る消費税 1,785×5/105=85
納税金額 2,000×5%-85=15
改正の影響
年商5億円超の法人は、平成24年4月1日以後に開始する課税期間からこの有利な95%ルールの適用ができなくなることによって、主に2つの影響が予想されます。
(1)納付税額の増加
仕入れに含まれる消費税額のうち、控除できない部分が生じるため納付税額が増加します。
(2)事務負担の増加
個別対応方式で計算するための事務負担が増加します。
一括比例配分方式を選択することにより事務負担の軽減を図ることもできますが、個別対応方式で計算した場合と比較して納税額が多くなる可能性も考慮しなければなりません。
今後の注意点
これらを踏まえると、年商5億円超の法人については、以下の点に注意した対応策が必要となるでしょう。
(1)個別対応方式による場合の対応
個別対応方式により計算・納税する場合には、適用事業年度開始(3月決算法人の場合には平成24年4月)までに、課税仕入れをどの売上げに対応する仕入れか分類できるように準備しておく必要があります。
(2)一括比例配分方式による場合の対応
一括比例配分方式を選択する場合、届出書の提出は不要です。ただし一括比例配分方式を一度選択すると、2年間はこの方式を継続する必要があります。したがって、その期間中に土地の譲渡など多額の非課税売上げが計上された場合には、個別対応方式による計算と大きな差が生じる可能性があるため、慎重に判断する必要があります。
(3)会計ソフトでの入力作業に注意
自社で会計ソフトに入力される場合、入力方法も計算方式によって異なる場合がありますので、事前に確認を行い入力作業に混乱が生じないようにする必要があるでしょう。
(4)納税資金の確保も検討が必要
95%ルールの改正により納付税額の増加が見込まれる場合には、あらかじめその増加額を計算し、資金繰りの計算に含めておくことも必要です。
詳しい内容やご質問は各担当者までお問い合わせください。
4.「どうしよう?」にお答えします!Q&Aコーナー
Q. 平成23年10月1日以降の経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)の改正点について教えてください
A.
1. 経営セーフティ共済とは
中小企業者等が取引先の倒産の影響により連鎖倒産・経営難に陥ることを防止するために、中小企業者等が拠出する共済掛金を原資として、「掛金総額の10倍に相当する額」または「回収困難となった売掛金債権の額」のいずれか少ない金額を無利子・無担保・無保証人で貸付けを行うという共済制度です。
2. 改正点について
平成23年10月1日に施行された中小企業倒産防止法の一部改正により、経営セーフティ共済が次のように見直されました。
(1)【掛金月額】
毎月の掛金が、5,000円~80,000円から5,000円~200,000円の範囲内で自由に選択(5,000円単位)できるように変更されました。
(2)【掛金総額の上限】
320万円から800万円に達するまで積み立てが可能になりました。
(3)【貸付金限度額および償還期間】
貸付金の限度額が、3,200万円から8,000万円に引き上げになりました。
また、償還期間も一律5年から貸付金額に応じて5年~7年の範囲に変更されています。
貸付金額が
5,000万円未満 ………5年
5,000万円以上6,500万円未満………6年
6,500万円以上8,000万円以下………7年
(4)【早期償還手当制度の創設】
償還期間満了日から12ヶ月以上前倒しで全額繰上償還した場合には、手当金が支給されます。
※既に掛金総額が上限に達している事業所様につきましても、10月1日以降から掛金総額の上限が引き上げられていますので、加入手続きをされた取引先金融機関等へご相談下さい。
5.チョットお邪魔します。人気のお店訪問
今回ご紹介するのは、四条河原町・マルイ8階など京都、滋賀に5店舗のお店を構えていらっしゃる『比叡山麗 鶴喜そば』さんです。今を遡ること約290年前に比叡山麗 坂本の里にお店を開いたことから始まる老舗人気蕎麦屋さんです。
天ぷら蕎麦などの定番メニューだけではなく、旬の素材を使った季節限定のメニューも取り揃えられており、京都、滋賀でお蕎麦を食べるならここで決まりです。
京都マルイで伝統の味が楽しめますので、お買い物の際には是非一度ご利用下さい。
自慢の蕎麦や茶蕎麦から、乾麺、人気のそばぼうろまでギフト商品の取扱いもあり、お中元、お歳暮、カジュアルギフトなどの贈答にも最適です。お取り寄せいただけば、美味しいお蕎麦をご家庭でもお楽しみいただけます。
詳しくはホームページをチェック、または、お店までお問い合わせ下さい。
お店データ
比叡山麗 鶴喜そば 四条河原町店
住所 〒600-8567
京都市下京区四条通河原町東入真町68番地
京都マルイ8階
TEL:075-255-3554
WEB:http://tsurukisoba.co.jp
営業時間 11:00~22:00 (LO21:00)
他店舗:唐崎店,比叡山店,山科店,上鳥羽店