1.京都市の監査委員に就任しました!
京都市会の9月市会最終日(10月29日)に小職を京都市監査委員に選任する旨の議案が全会
派の賛成で可決承認されました。
任期は本年11月1日から平成31年10月31日までの4年間です。この間、京都市政を「監査」
していく使命を与えられたわけですが、常に市民目線を忘れることなく、是々非々の立場から行政に対して目を光らせるとともに、より円滑かつ効率的な行政の実現に向けて、微力ながら尽力していきたいと決意を新たにしています。
ここで、地方自治体における監査委員について少し説明をさせていただきます。
監査委員は、地方自治体の特別執行機関の一つで、地方自治体の事務を自らの判断と責任に
おいて誠実に監査する義務を負っています。
とりわけ、他の委員会委員、例えば人事委員会委員や農業委員会委員などに比べて首長からの独立性と中立性が強く求められ、常に公正不偏の立場を保持することが地方自治法で要請されています。
京都市の場合、4名の監査委員のうち2名は議員から選出され、他の2名が識見監査委員と
して選任されています。識見監査委員のうち1名は市職員OBで、もう1名が学識経験者とされており、小職はこの学識経験者枠で選任されました。
ところで、監査委員は、「人格が高潔で、地方自治体の財務管理、事業の経営管理その他の行政運営に関し優れた識見を有する者」であることが地方自治法で求められています。この点、小職が「人格高潔」か、「優れた識見を有する」かについては、甚だ自信のないところですが、できるだけ近づけるように努力していかなければならないと身を引き締めているところです。
これからの4年間、現場の監査や市会本会議への出席など、時間的な制約が少なくない中、
関与先の皆様方にはご迷惑をおかけすることがあるかと存じますが、何卒ご容赦の上、ご支援ご協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
2.軽減税率は本当に必要でしょうか
最近、グーグルに「軽減税率」とだけ入力すると、ヒットするのは消費税に関する記事ばか
りです。所得税にも法人税にも軽減税率は存在しますが、最近それらの影は薄いようです。
さて、消費税の軽減税率導入について政治的な決着はつきましたが、軽減税率は本当に必要
なのでしょうか。
まず、標準税率が10%以下でありながら軽減税率を適用している国はスイスのほか僅か2カ国にとどまる一方で、デンマークは25%もの税率でありながら単一税率です。フィンランドなどでは、標準税率が20%を超えて初めて軽減税率を導入しました。このような諸外国の例をみると、10%引き上げ時に軽減税率を導入することは、いささか早計に思えてなりません。
また、軽減税率導入は低所得者対策であるといいながら、その効果は中高所得者にも及びます。例えば、より高価な食料品を購入する中高所得者ほど税率軽減の恩恵を多く享受するわけですから、これは矛盾といえます。
さらに、対象品目の線引きも一筋縄ではいかないでしょう。イギリスでは、食料品か外食かで税率が異なり、それを「クール」か「ホット」で区別しています。同じハンバーガーでも冷凍品であれば食料品、加熱されていれば外食というわけです。ロンドンっ子は器用に区別していましたが、面倒であることは間違いありません。
3.ひかり測量設計を立ち上げました!
このたび、ひかり司法書士法人のサテライト事業所として「有限会社ひかり測量設計」を立
ち上げました。
不動産の測量はもちろん、開発・調査・境界確定といった業務を積極的に受任していきたいと考えています。
また、近日中に「ひかり土地家屋調査士法人」を設立する予定です。グループの理念である「ワンストップサービス」を司法書士法人の周辺業務に拡大し、利便性をより高めることができれば幸いと考えています。
4.マイナンバー制度の導入に向けて
平成27年10月から日本国内に住民票のあるすべての人に、マイナンバーの通知が開始さ
れました。平成28年1月以降、社会保険や税金に関する申請書類に、マイナンバーの記載が求められることになります。
今回はこのマイナンバー制度についてご案内させていただきます。
マイナンバー制度とは
マイナンバー制度とは、日本国内に住民票があるすべての人に通知される、1人ひとり異なる12桁の番号をいいます。平成27年10月5日時点で住民票がある人(赤ん坊や外国国籍の方を含む)に付番されます。また、日本国籍の方でも、海外転勤や留学などで日本国内に住所がない方には付番されず、帰国したときに付番されることになります。マイナンバーは、一度付番されると特別なことが無い限り、一生変更されませんので、大切に取扱うことが必要となります。
なお、マイナンバーは法人にも付番され、法人1社ごとに13桁の法人番号が付番されます。マイナンバーの運用が開始されると、各行政機関が管理する住民情報が、マイナンバーで繋がることになります。
私たちの身近なところでいえば、年金や福祉などの手続きをする際に用意しなければならない書類が減少し、また各行政機関の間で住民情報が連携することで、事務手続きが効率化されることにより、手続き完了までの時間が短縮されることが期待されます。
マイナンバーの利用範囲
マイナンバーは、『番号法』(『行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律』)において、利用できる範囲が以下のように定められています。
- 社会保障関係の手続
- 税金関係の手続
- 災害対策
これらの手続きにおいて、平成28年1月以降、申請書類や申告書にマイナンバーの記載が求められることになります。
また、マイナンバーは番号法で定められた目的以外に利用することができず、マイナンバー取扱者が、万が一、マイナンバーの目的以外の利用や他人に不当に提供した場合には、処罰の対象となりますので、取扱いに注意が必要です。
通知カードと個人番号カード
マイナンバーは、平成27年10月以降、順次、住民票に登録された住所に紙製の「通知カ
ード」が世帯ごとに簡易書留で送られてきます。「通知カード」を受け取った後、任意申請により、「個人番号カード」の交付を受けることができます(平成28年1月より順次交付)。
この「個人番号カード」は、写真付きのICチップ入りのプラスチック製カードで、公的身分証明書として利用することができます。ICチップ内には所得情報や健康情報などの個人情報は記録されません。
将来的に、各種行政サービスを受けるためには、「個人番号カード」を用いてサービスを提供することを想定しています。平成30年4月には、「個人番号カード」が健康保険証として利用可能となる方向で検討されています。
導入準備のチェックリスト
事業者の皆さんは、平成28年1月以降、ご自身のマイナンバー以外に、社会保険や税務手続きを行う上で、従業員等のマイナンバーを取得・管理することが必要となります。まずは、導入準備として、下記の事項について、社内や委託先(税理士等)と対応方法をご検討ください。
□ 事務取扱者の選定
□ マイナンバー業務と対象者の洗い出し
□ 対象者への周知・教育
□ マイナンバーの回収と本人確認
□ 社内規定の作成
□ 保管・管理方法の整備
□ PC環境と事務処理スペースの見直し
□ 委託先との契約書等の見直し
□ 委託先への必要かつ適切な監督
□ 破棄・削除のルール整備
従業員数が100名以下の中小規模事業者については、『特定個人情報の適切な取扱いに関するガイドライン』において、事務負担を考慮して特例的な取扱い規定が設けられていますので、ご参照ください。
最後に
マイナンバー制度が本格化する前に、社内への周知・教育、安全管理措置の構築など、実務上では様々な項目について準備をする必要があります。
「何から手を付けていいのか分からない」という顧問先様の声に応えるために、HAGグループでは、ひかり社会保険労務士法人を中心に、ひかり税理士法人と連携して「マイナンバー導入のためのご支援のメニュー」をご準備させて頂いております。
マイナンバー制度の導入に向けて、お困りの方は、弊法人の担当者までご連絡ください。
5.知っておきたい、健康寿命のこと
相続税の基礎控除額の引き下げや、遺言控除の検討、教育資金や子育て資金の一括贈与の非課税制度など、相続税対策・相続対策の話題に事欠かない今日この頃。
今回は、各種対策を行う前に知っておきたい「健康寿命」についてご説明します。
健康寿命って、なに?
健康寿命とは、WHO(世界保健機関)が2000年に公表した、日常生活に制限のない、健康で居られる平均期間のことを言います。
最近では、QOL(lifequality of Life:生活の質)の向上を図るため、平均寿命だけでなく、健康寿命にも注目が集まっています。
健康でなくなると、どうなる?
下記は、厚生労働省の発表した、平成25年の日本の平均寿命と健康寿命を示した図です。
男女ともに、健康寿命は、平均寿命よりも約10年も短いことが分かります。この平均寿命と健康寿命との間は、認知症などで介護を受けているような期間、つまり「不健康な期間」であると言えます。
それでは、健康でなくなってしまった場合には、どのような支障が生じるのでしょうか?まず、日常生活では、一人で自由に外出できない、料理・洗濯・掃除などの家事全般がスムーズにできないなどの支障があります。もちろん、経済的な負担も大きく、バリアフリーにするためのリフォーム代や介護費用、医療費など、多くの出費が予想されます。
さらには、契約行為ができなくなる可能性も考えられます。契約相手と会ったり、交渉したりすることもままならないでしょうし、認知症になったのであれば、締結した契約が無効とされることもあります。ひとたび健康を害してしまうと、保険に加入することも難しくなりますし、本人確認が厳しくなっている昨今では、銀行口座の開設なども難しくなります。
そして、最近では、成年後見制度の利用件数が増えていますが、成年後見制度は、今ある財産を守るための制度なので、本人の意思がいくらあっても、相続税対策としての贈与やアパート建築などはまず認められません。
また、遺言書を作って、誰かに財産を遺してあげることもできません(事理弁識能力を一時的に回復している場合を除く)。
相続の場面においても、成年被後見人が相続人になった場合(財産を受け継いだ場合)は、遺産分割協議では、成年被後見人の相続分は、最低でも法定相続分を確保しなければなりません。
また、成年被後見人と成年後見人が両方とも相続人になった場合には、成年後見人は、いわば「利益相反」の状態となるため、特別代理人の選任が必要となる場合があります。
認知症かどうかを調べるには?
認知症かもしれないと思ったら、長谷川式認知症スケールを用いてチェックすると良いでしょう。長谷川式認知症スケールとは、以下のような質問に答えることによって、認知症の判断を行うものです。(あくまで簡易な判断ですので、詳しい診断は、専門医に受診することをお勧めします)
豊かな老後に向けて
ご覧いただいたように、平均寿命が延び続ける中で、「幸せなシニアライフ」を過ごすためには、健康寿命のことも考える必要があります。
「不健康な期間」が10年近くもあるということは、健康な内にきちんと備えをしておく必要があるということに他なりません。シニアライフでは、得てして相続税対策・相続対策に目がいきがちですが、健康寿命を踏まえて幸せなシニアライフが送れるようにしたいものです。
6.「どうしよう?」にお答えします!Q&Aコーナー
Q. 相続税の「遺言控除」が検討されていると聞きましたが、どのようなものですか?
A. 自民党の特命委員会において、遺産争いを未然に防止するため、相続税において「遺言控除」の検討が行われています。
これは、遺言に基づいて財産の分割が行われた場合には、相続税の計算において、基礎控除額(計算上、当然に控除される金額)に加えて、一定金額を控除できる制度です。
導入されれば、遺言書の作成件数が増加すると思われますが、具体的な金額・時期等は、現状ではまだ決まっておりません。
Q. 財産はそんなに多くないのですが、私も遺言書を作った方がいいのでしょうか?
A. 今年の1月に基礎控除が引き下げられてなお、相続税がかかる方の割合は、6%程度だと言われていますので、上記の遺言控除という点だけで言えば、残り94%の方には遺言は必要無いことになります。
しかし、遺言の本来の目的は自分の意思に沿った遺産分割を行ってもらい、家族間の揉めごとを回避することです。財産の多い少ないはあれど、相続はいつか必ず起こるものです。
皆が納得出来る相続を行うために、遺言を活用すべきでしょう。
7.チョットお邪魔します。人気のお店訪問
今回ご紹介するのは、本年6月に滋賀県野洲市に設立、9月より旅行業を開始されました『合同会社滋賀の旅人』さんです。
国内のバスや宿泊の手配旅行などのほか、琵琶湖の南部に位置する野洲市をはじめ、近江八幡市、竜王町、湖南市、栗東市、守山市、大津市のヒトやモノを掘り起こし「こんな所にこんな素敵なお宝発見!」と思える募集型ツアーも企画・実施される第3種旅行会社です。
若いころから“旅人(たびびと)”を続けておられる黒川代表が常に実感されている、「地域のことは地域の人が一番良く知っている」という考えと、行政職員として地元の観光振興に携わってきた前職のノウハウを生かしながら、『旅人が再び地域のヒトやモノに会いたくなる旅づくり』を理念として、滋賀をアピールしたツアーを企画されていますので、皆様も『滋賀の旅人』さんを利用して、滋賀に触れてみてはいかがですか。
「合同会社滋賀の旅人」(商号:滋賀の旅人旅行倶楽部)
〒520-2304 滋賀県野洲市永原1006番地
◆ TEL: 077-587-2677
◆定休日: 土・日・祝日
◆URL:http://www.shigatabi-club.com/