1.タイムスタンプとは
タイムスタンプは、タイムスタンプに刻印されている時刻以前にその電子文書が存在していたこと(存在証明)と、その時刻以降、当該文書が改ざんされていないこと(非改ざん証明)を証明するものです。
タイムビジネスの信頼性向上を目的として、一般財団法人日本データ通信協会が定める基準を満たすものとして認定された時刻認証業務によって付与され、その有効性が証明されます。
また、認定を受けたタイムスタンプ事業者には、「タイムビジネス信頼・安心認定証」が交付され、以下に示す「タイムビジネス信頼・安心認定マーク」を使用できることから、その事業者の時刻認証業務が一般財団法人日本データ通信協会から認定されたものであるか否かについては、この認定マークによって判断することもできます。
(引用:https://www.dekyo.or.jp/tb/contents/summary/system_2.html)
2.電子帳簿保存法とタイムスタンプ
平成10年に制定された電子帳簿保存法とは、各税法で原則紙での保存が義務づけられている帳簿書類について一定の要件を満たしたうえで電磁的記録(電子データ)による保存を可能とすること及び電子的に授受した取引情報の保存義務等を定めた法律です。
経済社会のデジタル化を踏まえ、令和3年度の税制改正において電子帳簿保存法の改正が行われ、
これまで電子的に作成した国税関係帳簿を電磁的記録により保存する場合には、事前に税務署長の承認が必要でしたが、事業者の事務負担を軽減するため、事前承認は不要とされました。
さらに、タイムスタンプにおける要件も緩和されています。
■タイムスタンプの付与期間が、最長約2ヵ月と概ね7営業日以内とされる。
■電磁的記録について訂正又は削除を行った場合に、これらの事実及び内容を確認することが
できるクラウド等において、入力期間内にその電磁的記録の保存を行ったことを確認す
ることができるときは、タイムスタンプの付与に代えることができる。
(引用:https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021005-038.pdf)
3.タイムスタンプを導入するには
ステップ①事業者選定
タイムスタンプは、日本データ通信協会からタイムビジネス認定を受けている事業者のみ発行可能です。また、タイムスタンプを発行する為には費用が掛かり、料金設定は事業所ごとによって様々ですので利用数に応じて最適なプランがある事業者を選択しましょう。
ステップ②タイムスタンプ発行
タイムスタンプの対象となる書類をスキャンもしくは撮影を行い、画像データをタイムスタンプシステムにアップロードすることで、生成されたハッシュ値が認定事業者に送付されます。
ステップ③タイムスタンプ付与
認定事業者はこのハッシュ値に時刻情報を偽造できないようにして結合したタイムスタンプトークン(証明書に相当するデータ)を発行します。
よって利用者は元となる書類を認定事業所に知られることはなく、あくまでもハッシュ値の情報に対してタイムスタンプを得ることができます。
4.まとめ
令和3年度の税制改正によって電子化の要件が緩和された為、
導入に対するハードルがさがったと言えるのではないでしょうか。
ただし、要件に適応されたシステムを使っている場合に限られます。
導入の際には電子帳簿保存法を十分に理解したうえでペーパーレス化を進めていきましょう。
(文責:札幌事務所 林)
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