1.生命保険の活用メリット
- 生命保険料を経費として計上することが出来る。
- 解約すればお金が返ってくるものがある。
- 保障がある。
主に以上の3点が挙げられると思います。
それでは順に見ていきましょう。
生命保険料を経費に出来る額とは?
生命保険の種類や保険期間によって経費に出来る金額が違ってきます。
掛け捨ての保険であれば全額経費になりますし、解約返戻金があるタイプの保険であれば、保険期間が短いものは全額経費、長いものは半分経費だったり1/3の経費だったりします。
会社の状況や所得状況により加入できる保険金の額は変わりますのでその分保険料の金額も変わってきます。年間500万円ほど経費に出来る場合もあります。まずは生命保険会社に設計書を作成してみていただくのが良いかもしれません。
そして、作成された設計書をもとに様々な事柄をイメージしてください。会社の業績について、今後の展開、後継者のこと、従業員のこと。
それらをイメージしてこの保険を活用することが効果的かを検証するのが良いと思います。
解約すればお金が返ってくるものがある
節税するにはお金を払って経費をつくらなければなりませんが、生命保険の場合は解約することでお金が返ってくるものがあります。例えば長期平準定期保険、逓増定期保険や養老保険などの死亡保障がついている保険です。お金が返ってくるという点が他の節税対策とは違う性質と言えます。
もちろん掛け捨ての保険も世の中には存在していますし、死亡保障が必要だと考えてそれらに加入することも良いでしょう。特にそのような必要性がないのであれば解約時にお金が返ってくるものを選択することをお勧めします。
税金を減らそうと意識するあまり、必要ではないものにまでお金を使い過ぎて手元にお金が残っていない経営者の方もいらっしゃるでしょう。それでは本末転倒なのでそのような場合には素直に税金を払うことが良いと考えます。きっと手元にはお金が多く残っているはずです。
保障がある
生命保険は経費にすることができますが、そもそもの本質として加入することによって、死亡保障などの保障がついてきます。保障がついている面も他の節税対策と違う部分です。保障の面も考慮しつつ保険商品を選ぶと会社にとってより有意義な施策となります。
どんな保障をつければ良いのか迷った場合はまずは死亡保障を選択しましょう。そして被保険者は社長、もしくは後継者の方とする。社長が亡くなられた時の会社のダメージははかりしれないものがあります。
業績が大幅にダウンしたり、業務の中で起こったトラブルの対処が迅速に出来ず、それがさらに納品などの他の業務にも支障が出てしまったりなど連鎖的に悪い状態が続いてしまうこともしばしばです。
借入金がある場合はなおさらですので、死亡保障によって当面の運転資金や借入金の返済原資を確保するように設定しましょう。保険契約したタイミングから保障が開始されますので、社長の不安も少しは減ることでしょう。
2.生命保険の活用デメリット
良い面ばかりではなく、もちろん悪い面も存在します。
- すぐに解約すると損をする
- 毎年同じぐらいの保険料がかかる。
- 解約時の活用方法が必ず必要
などが挙げられます。
以下で確認していきましょう。
すぐに解約すると損をする
生命保険の掛け捨ての場合は別として、解約返戻金があるものを節税対策として活用するのが一般的で、そのようなタイプのものは一定期間保険を続けないと大幅に目減りしてしまいます。
どれぐらい続けないといけないのか、何年目でどれぐらいの解約返戻率になっているのか、作成された設計書をもとに十分に確認しておきましょう。
毎年同じぐらいの保険料がかかる。
生命保険の性質上、保険料は変わらないものが多く、加入当初のみならず2年後3年後と継続して同じだけの保険料を払い続けなければなりません。全額を一括で払い込んでしまうパターンもありますがここでは割愛します。節税対策として加入した初年度だけではなく次年度以降も同じだけの保険料を支払わなければならないのはハードルが高いといえます。
今後の会社の業績も勘案しながら、保険料を毎年支払うことが出来るような保険設計をすることが重要です。
解約時の活用方法が必ず必要
死亡保障が必要だから生命保険に加入した、という場合を除いて節税対策で生命保険を活用する場合、将来生命保険を解約してお金が返ってくるようにするのが一般的です。
将来、ただ単に解約しただけでは収入になりますので法人税がかかってしまいます。解約した時に経費になるような施策を実行すること、例えば退職金を支払うなどで法人税がかからないようにする工夫が必要です。
3.まとめ
節税対策の一つとして生命保険を活用する場合、会社の財政状態や後継者のこと、従業員のことなど現在から未来にわたってイメージしながら検討する必要があります。生命保険の保険期間をどれだけにするのかによって解約返戻金の返戻率ピークがどの辺りにくるのかも変わってきます。
解約時にどのような施策を用意しておくのか、どのような場合に生命保険を解約するのか、出口戦略をきっちりとイメージして活用することが重要です。
もしご自身だけで検討することが難しいようでしたらいつでもお気軽にご相談ください。
※当社では、顧問契約を締結しているお客様以外の個別の税務相談には対応いたしかねます。何卒ご了承ください。
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