1.そもそも「節税」とは
節税とは、税制上のシステムを適切に利用しながら支払うべき税金を可能な限り抑えること。節税を行う際は「控除」「経費の計上」の2つを上手く利用して負担税額を減らしていきます。控除とは、所得から決められた項目の金額を差し引くことで、経費の計上とは、税金計算のベースとなる課税所得から経費を差し引くことです。
節税の定義が曖昧な方の中には、節税と脱税の意味を混同している方もいらっしゃるのではないでしょうか。節税は法律で決められた範囲内で税金の負担額を減らす行為であるのに対して、脱税は申告すべき所得額を低くしたり、経費の総額を故意に低くしたりすることです。脱税は違法行為であり、少額であっても追微課税の対象になるため、絶対に避けましょう。
2.税理士に依頼できる業務
税理士とは、納税者に代わって税務手続きを行ったり、納税者の相談相手になったりする税務の専門家です。税理士は有資格者だけが行える独占業務が認められています。企業は税理士に対して一体どのような業務を依頼できるのでしょうか。
記帳代行
税理士に依頼できる業務の中でも代表的なものが、記帳代行です。会社が提出した税務資料や伝票などを元に、税理士が帳簿作成をします。帳簿作成はある程度の税務知識がないと難しく、それでいてミスが許されないもの。税理士に記帳代行を依頼することで、日々の売掛買掛などの管理を正しく行えるほか、自社の経理全般を任せることが可能です。
税務書類の作成
税務申告では、確定申告書や青色申告承認申請書など、非常に多くの書類が必要になります。税務書類を正しく作成するためには、日々の収支管理を正しく記録したり、費目ごとにカテゴリー分けを行う仕訳作業が必要になるため、高度な専門知識が必要に。税務書類の作成は税理士の独占業務の一つであるため、有資格者以外が税務書類を作成することは法律によって禁止されているのです。
給与計算
あまり知られていませんが、企業の給与計算も税理士に依頼することが可能です。毎月の給与計算を税理士に依頼することで、年末調整の手続きも一括で行えるメリットも。また、法定調書など税務署に提出する書類の作成も併せて依頼することができます。
節税対策
税理士による税務相談では、企業の節税対策に関するアドバイスを受けることができます。その業界独自の課税・非課税制度が設けられていることも。自社の業界に精通している税理士に依頼することで、自社の状況に応じた節税提案を受けることができます。
3.税理士に節税対策を依頼するメリット
節税対策を適切に行うことで、納税額を抑えられるだけではなく、従業員が働きやすい環境を作ることにつなげることが可能です。ここでは、税理士に節税対策を依頼するメリットについてご紹介します。
資金繰りに関するアドバイスを得られる
税理士によるアドバイスは基本的に「税務相談」として扱われ、税理士法によって定められている税理士業務の一つです。税務相談では、事業計画や融資に関することのほか、自社の資金繰りなどについてもアドバイスを求めることができます。
正しい方法で節税を行える
法律の範囲内で節税対策をしっかりと行うためには、ある程度の専門知識が必要になります。そのため、税務に関する知識がない一般社員に自社の節税を任せることは非常にリスクが高い行為です。一方で税理士は国家資格を有する税務のプロであるため、法律に抵触することなく安全に節税を行うことができます。
税務調査の対象になりにくくなる
税務調査とは、税務署が企業の申告内容を確認し、誤りがないかどうかを確認する調査手続きのことです。日本では企業が納税額を申告し、納付する「申告納税制度」が採用されています。しかし、自己申告であるため申告内容が誤っていたり、故意に虚偽の申告が行われたりすることも。税理士に税務手続きを委託することで、このようなリスクを回避することができ、税務調査の対象になりにくくなります。
4.税理士に節税対策を依頼して資金状況の改善を目指そう!
今回は税理士に依頼できることや、税理士に節税対策を依頼するメリットなどについてご紹介しました。会社の業種や規模に関わらず、税務会計は事業を運営していく上で欠かせない業務の一つです。税理士に節税対策をはじめとする税務会計業務を依頼して、資金状況の改善を目指していきましょう。
※当社では、顧問契約を締結しているお客様以外の個別の税務相談には対応いたしかねます。何卒ご了承ください。
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