1.税理士報酬の相場
税理士契約は「顧問契約」と「業務委託」のいずれかを選択することが一般的です。
まず顧問契約とは、基本的な税務業務のほか経営者の相談役として「会社のお金」に関する適切なアドバイスを求めることができ、年単位での契約が基本。
一方で業務委託とは、確定申告や決算時に必要になる書類作成を一時的に依頼することです。顧問契約よりも費用を抑えられますが、必要最低限のサービス内容であるケースが多くあります。それぞれの月額報酬相場の割合については以下の通りです。(※1)
顧問契約の報酬相場(月額) | |
1万円未満 | 7.7% |
1~3万円 | 52.7% |
3~5万円 | 27.7% |
5万円以上 | 11.9% |
業務委託の報酬相場(依頼内容別) | |
確定申告書の作成 | 3~10万円 |
青色申告の手続き | 10~20万円 |
(※1)日本税理士会連合会『第6回税理士実態調査報告書』https://www.nichizeiren.or.jp/datalibrary/system/survey/p20150327/
2.税理士報酬は何によって決まるの?
税理士報酬は平成14年まで税理士法によって定められていましたが、税理士法改正によって報酬規定が撤廃されました。税理士費用は「会社の売上高」「面談回数」「記帳代行の有無」によって決まることが一般的です。それぞれの要素について以下で詳しく解説します。
会社の売上高
税理士報酬を左右する要素の一つが、会社の売上高です。会社の売上高が大きくなるほど、必要になる税務業務は膨大になり、より多くの作業時間が必要になります。税理士事務所では、税理士の負担に応じて報酬額を設定していることが一般的。依頼先を検討する際は「自社の売上高での報酬額はどのくらいなのか」といった視点を持つことも大切です。
面談回数
顧問税理士に依頼する場合、税務業務のほかに節税対策や経営相談を行うことが可能です。面談回数は「1ヶ月に1回」「3ヶ月に1回」といったように希望を伝えられますが、頻度が高くなるほど報酬額も高くなります。「面談手段はどうするのか」「平均的な面談回数はどのくらいか」といったことを事前に確認し、顧問料の目安を把握しておくと良いでしょう。
記帳代行の有無
記帳代行とは、自社の領収書や請求書などを税理士が会計ソフトに入力することです。税理士の契約形態に関わらず、記帳代行の有無を選択可能であるパターンが多く見られます。記帳代行は自社内で十分に対応可能です。「税理士報酬を抑えたい」という場合は記帳業務を自社で対応することで、費用を抑えられるでしょう。
3.適正な税理士報酬額を見極めるポイント
税理士報酬は「高い金額=満足度が高くなる」というわけではありません。適正な税理士報酬額を見極めるためには、以下のポイントを押さえて選ぶことが大切です。税理士に依頼する前に必ず確認しておきましょう。
契約に含まれるサービス内容を確認する
「報酬額が安い」という理由で税理士を選んだ場合、後から追加料金が発生することも。依頼後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、見積もり依頼時に料金と併せてサービス内容も確認することが大切です。
自社が税理士に求めることを明確にする
適正な税理士報酬額を見極める上で大切なのは、自社が税理士に求める内容を明確にすること。例えば「記帳代行は自分で、税理士には申告業務を」といったように、業務の線引きを明確にすることで、余分な費用の発生を押さえることが可能です。
4.税理士報酬の金額を見極め、自社のニーズに応えてくれる税理士に依頼しよう!
今回は税理士報酬の相場や適正な税理士報酬額を見極めるポイントなどについてご紹介しました。税務業務は業態・業種に関わらず、すべての企業で必要になるものです。税理士に税務業務を依頼することで、経理業務の手間を大幅に抑えられるメリットがあります。しかし、税理士選びに失敗してしまった場合、税理士報酬を支払いすぎてしまったり、サービス内容に不満を持ってしまったりすることも。今回ご紹介した内容を参考に、税理士報酬の金額を見極め、自社のニーズに応えてくれる税理士を選びましょう。
※当社では、顧問契約を締結しているお客様以外の個別の税務相談には対応いたしかねます。何卒ご了承ください。
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