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2021.02.01|節税

税理士の現場からご提案!!小規模企業共済制度

2月に入り確定申告の準備を進められている方も多いのではないでしょうか。
この時期は税金を意識することも増えるため、当事務所にも良い対策を教えて欲しいというご相談をいただきます。

今回は、税理士が現場で提案する代表的な制度である「小規模企業共済掛金(以下「小規模共済」という)」をご紹介いたします。

1.小規模共済とは

 政府が100%出資する、独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下、「中小機構」)が運営している小規模企業の経営者や個人事業主を対象とした「退職金積立制度」です。

 

 全国で約147万人(2020年3月時点)の方が加入されており資産運用残高は9兆7,000億程です。

現場で使われる大きな理由の1つが掛金を全額所得控除できることです。高い節税効果をもち、かつ、退職や廃業を見据えた経営者や個人事業主の将来の生活資金確保を後押しする仕組みです。

 

 

昭和40年、この制度は2つの趣旨により設立されました。

 

 ①小規模企業経営者の退職や個人事業主の廃業時に、生活の安定や事業再建できるように備えておくこと

 

 ②一般の労働者に比べて、社会保障制度の恩恵が少ない小規模企業経営者や個人事業主の補償をおぎなうこと

 

その後、時代の変化に合わせて内容が拡充され現在に至ります。

2.掛金について

 掛金は全額が所得控除の対象になります。それと同時に現場で使われる理由が掛金の自由度です。

具体的には下記が挙げられます。

 

 ①掛金は1,000円から70,000円までの範囲内で500円単位で選ぶことができる

 

 ②月払・半年払・年払で納付方法を選ぶことができる

 

 ③掛金の変更を月単位で随時変更することができる

 

 ④前納をすることで最大1年分をまとめて積み立てることができる

 

3.共済金の受取も優遇

 小規模企業経営者の退職や個人事業主の廃業による小規模共済の趣旨に沿った受取りを「共済金」と言います。加入期間が6月未満などの場合を除き共済金は掛金以上に受取れる仕組みになっています。受取方法は一括受取と分割受取又は一部分割受取の3種類があります。いずれの受取についても、負担する税金が少なくなる仕組みになっています。

 

 〇一括受取:退職所得扱い

   ※計算方法:(退職金-退職所得控除)×1/2=退職所得金額×税率

 

 〇分割受取:公的年金等の雑所得扱い

   ※計算方法:(公的年金等収入金額-公的年金等控除額)

4.加入資格及び加入窓口について

加入資格について

 次のいずれかに該当する方が加入することができます。

 〇従業員数20名以下で、建設業、製造業、運輸業、宿泊業又は娯楽業に限るサービス業、不動産業、農業を営む場合

 〇従業員数5名以下で、卸小売業、宿泊業又は娯楽業以外のサービス業を営む場合

 〇上記のうち、個人事業主の経営に携わる共同経営者(個人事業主1名につき2名まで)

 〇事業に従事する組合員が20名以下の企業組合の役員及び協業組合の役員

 〇常時使用する従業員が5人以下の弁護士法人、司法書士法人、税理士法人等の士業法人社員

 

加入方法について

 委託団体または金融機関で加入を行えます。一部取扱のない金融機関もありますので事前確認をお勧めいたします。

 〇商工会、商工会議所
 〇中小企業団体中央会
 〇事業協同組合
 〇青色申告会
 〇各地の税理士会

5.まとめ

 小規模共済は、所得控除や受取時の優遇以外にも貸付制度もあります。小規模事業経営者や個人事業主にとって大きなメリットを受けられる制度の1つです。このような制度を取りこぼしのないように1つ1つ拾っていくことの積みかさねが大きな節税効果に繋がることは間違いありません。是非、活用頂ければ幸いでございます。

 

 

最後となりますが、中小機構のホームページに小規模共済加入シミュレーションがありますのでご興味ある方はご利用ください。

https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/entry/simulation/index.html

 

(文責:福岡事務所 中村)

※当社では、顧問契約を締結しているお客様以外の個別の税務相談には対応いたしかねます。何卒ご了承ください。

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