1.ファイル整理と命名規則の統一
まず、ファイルの整理を始めましょう。名前やフォルダの構造を決めておくと、探しやすさが一気に向上します。
例えば、「日付_顧客名_金額.pdf」というように、日付やプロジェクト名を含めて命名するだけで、目的のファイルがすぐに見つかるようになります。また、階層をシンプルに保ち、定期的に古いファイルを削除したりアーカイブしたりすれば、フォルダもすっきりします。アーカイブする時は、専用の保存領域にファイルを移動させるほか、まとめてファイル圧縮して容量を削減してもよいでしょう。
2.Web明細は定期的にダウンロードして内容確認する。
電話の利用明細や有通帳口座のWeb明細などは、オンラインで確認できる期間に制限があります。クレジットカードや無通帳口座のWeb明細などの場合、確認可能期限は長めですが、いざ確定申告作業を始める時に支払い内容が思い出せない、領収書、電子請求書が見つからない、ダウンロードできないといったケースもあります。せめて2ヶ月に1度はダウンロードしましょう。
3.メール整理の工夫
メールも、データ整理の大きな課題です。特に経理に関わる重要なメールが埋もれてしまうのを防ぐために、プロジェクト別や顧客別にフォルダを分け、フィルタを活用して自動的に振り分ける仕組みを作りましょう。また、スパムメールはドメインを指定して拒否設定し、不要なメーリングリストからは定期的に退会することで、受信トレイをすっきり保てます。
さらに、PPAP(パスワード付きZIPファイルをメールで送信し、その後、別のメールでパスワードを送る手法)をおこなっているなら、作業効率もセキュリティも低下させるだけなので、今すぐやめましょう。このプロセスは煩雑で、送信者と受信者の双方に時間的コストがかかるだけではなく、ZIPファイル自体の暗号化が強力ではないため、簡単に解読されるリスクがあります。また、パスワードを別のメールで送信しても、通信経路が同じなので、片方を傍受されればもう一方も容易に傍受されてしまいます。このため、セキュリティ強化の効果は薄いと指摘されています。
この手法はもう古く、クラウドストレージや暗号化されたファイル共有システムを使うほうがはるかに安全で効率的です。今すぐ切り替えて、面倒なパスワード送信の手間から解放されましょう。
4.クラウドストレージを活用する。
クラウドストレージを利用すると、データにどこからでもアクセスでき、同時にセキュリティも強化されます。DropboxやGoogle Drive、OneDriveなどを使ってデータを共有し、アクセス権限を適切に設定すれば、安心してファイル管理ができます。今すぐクラウドサービスに移行することで、探す手間や紛失のリスクがぐっと減ります。
5.デスクトップをすっきり整理
デスクトップがごちゃごちゃしていると、作業効率も下がります。アイコンやファイルを見直し、必要なものだけを残して不要なものは削除。また、重要なファイルはデスクトップに置かず、クラウドや外部ストレージに移して定期的にバックアップを取るようにしましょう。これだけで、デスクトップが作業しやすい「整理された空間」に変わります。
6.使っていないアプリやツールを整理
不要なアプリやツールは、意外とデジタル整理の障害になります。必要のないものはアンインストールし、似た機能のツールを一つにまとめることで、作業のシンプル化が図れます。これも、データ整理の一環として取り組んでみましょう。
7.バックアップの自動化
大切なデータが突然消えてしまうことを防ぐために、バックアップは必須です。クラウドや外部ストレージに自動バックアップを設定し、複数のバックアップ先を用意しておけば、安心して業務に集中できます。今すぐ、自動バックアップの設定を始めてみてください。
8.まとめ
以上、簡単ではありますが、データの片付け方法を紹介しました。データ整理は一度で終わるものではなく、継続しておこなうことが大切です。簡単にできるところから始めて、日々の業務や生活の効率をアップさせましょう。整理されたデジタル環境は、心の整理にもつながりますよ。
電子帳簿保存法については、税務担当者にご相談ください。
<参考文献>
経済産業省 デジタル社会の実現に向けて
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/shin_kijiku/pdf/019_03_00.pdf
ソフトバンク 当社におけるパスワード付き圧縮ファイルの利用廃止に関するお知らせ
https://www.softbank.jp/corp/news/info/2022/20220215_01/
(文責:京都事務所 望月)