1.日本銀行の紙幣発行の歴史
1882年、日本における唯一の中央銀行として日本銀行が創設されました。銀行券の発行権限も、日本銀行に集中されています。今日に至るまで、日本銀行はわが国において銀行券を独占的に発行しています。
日本銀行から現在と同じような形で紙幣が初めて発行されたのは、1885年の明治時代です。日本銀行が最初に発行した紙幣は旧十円券でした。約140年の歴史の中で、現在は硬貨の額面である一円から五百円も、紙幣で発行されている時期がありました。
2.今回の新しいデザインについて
今回の改刷について国から発表があったのは、2019年4月9日、約5年前のことです。同時に五百円硬貨のデザイン変更も発表されており、こちらは2021年11月1日から新硬貨が発行されています。
改刷で一番気になるのは、それぞれの肖像変更の有無でしょうか、今回はすべての肖像が変更されています。新一万円札は、生涯において500もの企業設立などにかかわり“日本近代社会の創造者”と言われる渋沢栄一。新五千円札は、生涯を通じて女性の地位向上と女子教育に尽力した教育家、津田梅子。新千円札は、破傷風を予防・治療する方法を開発した微生物学者で「近代日本医学の父」と呼ばれている北里柴三郎。お札の肖像の選び方には、特別な制約はありませんが、おおよそ「日本国民が世界に誇れる人物で、教科書に載っているなど、一般によく知られていること。」「偽造防止の目的から、なるべく精密な人物像の写真や絵画を入手できる人物であること。」のような理由で選定されています。お札に肖像が利用される理由の1つに偽造防止があります。私たちは人の顔を見分けることに慣れているため、銀行券の肖像がほんの少しでもずれたりぼやけたりしていると違和感を持ち、偽造防止に繋がります。
肖像の他、それぞれの裏面の絵柄も変更されています。新一万円札は赤レンガ駅舎として親しまれた歴史的建造物(重要文化財)の「東京駅(丸の内駅舎)」、新五千円札は古事記や万葉集にも登場し古くから親しまれている花「フジ(藤)」、 新千円札は江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の代表作で知名度も高く世界の芸術家に影響を与えた「富嶽三十六景(神奈川沖浪裏)」です。
寸法は、三種類とも現行券から変更はありません。
また、新たな偽造防止技術として、3Dホログラムが採用されています。この技術の銀行券への採用は世界初です。
3.新しいデザインの紙幣が発行される時の注意点
ここ近年で、日々の買い物や経費の支払い、売上金の受領など、キャッシュレス決済に対応しているものは増えましたが、まだまだ現金でやりとりする機会は考えられます。お店によっては現金払いにしか対応していなかったり、コンビニで公共料金を支払う時は原則現金でしか支払うことが出来ません。また、収入印紙はどこで購入するにも現金でしか支払うことが出来ません。
新しいデザインの紙幣は、その券面に慣れるまで少し時間を要すると思われます。いつから、どのようなデザインの紙幣が流通するのか、事前に知っておくことで対策に繋がります。現行券も引き続き使用出来ますが、「使えなくなる」などを騙った詐欺行為(振り込め詐欺など)にはご注意ください。
また、新しく印刷されるため、始めのうちは新札の状態である可能性が高いです。新札は綺麗な状態がゆえに数えにくく、2枚がくっついてしまっていると金銭事故になりかねません。お店での支払時やお釣りでお返しする時、意識して注意深く数えるようにしましょう。
他にも、自動精算機を使用されている場合、最近の新500円硬貨やインボイス対応等ですでに対応されていることかと思いますが、今回の新紙幣にも対応出来ているかどうか、今一度ご確認ください。
4.まとめ
紙幣の改刷の目的は、偽造防止です。国民が安心して使用出来るよう、偽造防止技術やデザインを新しくして、偽造されたお金が出回らないために行われています。
また、今回は目の不自由な方や外国の方のことも考えられ、ユニバーサルデザインが取り入れられています。識別マークの形状を指感性に優れる形状(11本の斜線)に統一し、券種毎に位置を変えることで券種が識別しやすくなります。額面数字については、年齢や国籍を問わず多くの人になじみのあるアラビア数字による料額表示で、現行の日本銀行券よりも大きく印刷されています。
新しいデザインの紙幣発行まであと4カ月。自分の手元にやってくる日を楽しみに待ちましょう。
参考URL
・日本銀行 銀行券/国庫・国債
・国立印刷局 新しい日本銀行券特設サイト
・財務省 通貨(貨幣・紙幣)
【京都事務所:中澤】
※当社では、顧問契約を締結しているお客様以外の個別の税務相談には対応いたしかねます。何卒ご了承ください。
税理士変更をお考えの方はこちら