1.AIと共存
皆様もご存じの通り税理士の3つの独占業務とは、税理代行業務・税務署類の作成業務・税務相談業務とありますが、近年のAIの普及により、どこまでAIで出来るようになるのか。とても興味深い話です。
10年後AIによってなくなる可能性のある12選では一般事務から始まり薬剤師まで多様業種に可能性があると言われております。 それに反し、AIが発達してもなくならない仕事7選には、ITエンジニア・営業職・データサイエンティスト・介護職・カウンセラー・コンサルタント・教師があげられています。
人間の仕事を助ける事があっても人間の仕事がなくなる事はまずない・・とはいいつつ雇用人数が減ってしまう懸念は隠しきれません。 エストニアでは、税理士・会計士がいなくなったとされております。 そこにあるのはテクノロジーX-roadというクラウドコンピューティングシステムです。 国民のありとあらゆる公的情報が蓄積され全国民の預金残高まで把握できることができるため、課税額の計算がすべて自動で行う事ができるといいます。
様々な端末から自分の納税額を確認し承認するだけで確定申告・納税が完了するといった仕組みにより税理士・会計士に依頼する事がなくなったという事ですが、 果たしてすべての国民が納得しているのでしょうか。
日本の人口はエストニアの80倍、日本でそのテクノロジーを駆使しても、すべてがシステムで完了することは考えにくいものです。 機械にはない悩みが人間にはあります。 企業や個人の悩み相談・経営の後押しなど機械では出来ない付加価値を提供し、信頼を蓄積していきたいと考えます。
AIで処理スピードを上げ、適格な仕訳をおこす事が今後可能になるかと思います。本来入力してほしい摘要やクレジット明細からの税区分をわけるなど、対応ができない部分の処理ができるようになり、機械(AI)とうまく共存しスムーズに処理できるのは近い未来です。
現在もAIとの共存で成り立っております。 セルフレジもその一つですが、果たして本当に便利なのか、というところです。 若者やすぐに理解できる人にとっては、便利なものかもしれませんが、老人や障害のある人にとっては、大変な作業とも言えます。 セルフレジにも人員(人の目)は必要であることは言うまでもありません。例えば、レジ袋一枚を黙ってとれる状況も中にはあります。無人販売の餃子店がいい例で、無人=誰も見ていないと勘違いする場合も多少なりともあります。
人に会わず買い物ができる事はとても便利な事ですが、そのことで良からぬ考えが出てしまう人が増えるというのも事実です。 子育ても同様ですが、やはり人の目は必要であり、どんなに便利な世の中になったとしても、感情を理解してくれる人がいないと不便な世の中になってしまうと考えます。
人間のできない事をAIがやってくれるのは、とてもいいことですが、人間ができる部分をもやってくれるのはいかがなものなのでしょうか。
(文責:札幌事務所 金平)
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