Menu

Column

スタッフコラム

京都事務所
2022.10.24|お知らせ

災害被害にあったら確定申告で所得税軽減を

毎年各地で台風や豪雨の被害が後を絶ちません。
自然災害や火事、害虫、盗難などによる損害を受けた場合、確定申告書を提出することで所得税の軽減措置を受けることができます。
今回は軽減措置を受けることができる「雑損控除」と「災害減免法」についてご説明します。

1.雑損控除の対象者及び対象物

・資産の所有者が下記のいずれかであること
 納税者本人
 納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族で、総所得金額が48万円以下の人
・資産の範囲
 棚卸資産もしくは事業用固定資産等または「生活に通常必要でない資産」のいずれにも該当しない資産
 ※「生活に必要な資産」であることが条件となり、趣味、娯楽目的で保有する不動産や不動産以外の資産、30万円を超える貴金属や美術品などの動産は対象外です。
・損害の原因
 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
 害虫などの生物による異常な災害
 盗難
 横領
 ※詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません。

2.雑損控除の計算方法

雑損控除では、次の①②のうちいずれか多い金額を所得金額から控除することができます。
所得金額から控除しきれない金額がある場合は、翌年以後3年間に繰り越して控除することができます。
繰り越す場合は損失発生年以後連続して確定申告を提出する必要があります。

①(損害金額+災害等関連支出の金額-保険金等の額)-(総所得金額等)×10%
②(災害関連支出の金額-保険金等の額)-5万円

※「損害金額」とは、損害を受けた時の直前におけるその資産の時価を基にして計算した損害の額です。
※「災害等関連支出の金額」とは、災害により滅失した住宅、家財などを取壊しまたは除去するために支出した金額、盗難や横領により損害を受けた資産の原状回復のために支出した金額をいいます。

(参考:国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1110.htm

3.災害減免法との有利選択

下記の条件の全てを満たす場合、災害減免法の適用も可能です。雑損控除と比較してどちらか有利な方を選択することが可能です。
<適用条件>
・被害をうけた年の所得金額の合計額が1,000万円以下
・災害(自然災害・火災など)によって受けた損害額(保険金補填分を除く)が時価の2分の1以上

<軽減又は免除される所得税の額>
・所得金額500万円以下・・・所得税の額の全額
・所得金額500万円超750万円以下・・・所得税の額の2分の1
・所得金額750万円超1,000万円以下・・・所得税の額の4分の1

 ※所得金額が1,000万円を超える方が利用できるのは雑損控除のみです。
 ※盗難や横領により損害を受けた場合に適用できるのも雑損控除のみです。
  災害減免法はあくまでも災害による損害のみに限定されています。

(参考:国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1902.htm

4.まとめ

いずれの方法も年末調整ではできず確定申告書を提出する必要があります。所得税だけでなく住民税の軽減にも反映されますので忘れずに申告しましょう。なお、申告にあたっては「り災証明書」や災害等関連支出の領収証などが必要となりますのでなくさないよう保管しておきましょう。
また、自治体ごとに住民税の免税や納税期間の猶予を設けている場合もあります。自分の住んでいる自治体の制度を一度確認しておくと安心です。

(文責:京都事務所 大松)

※当社では、顧問契約を締結しているお客様以外の個別の税務相談には対応いたしかねます。何卒ご了承ください。

税理士変更をお考えの方はこちら
メールマガジン
登録
お見積り
ご相談