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2022.01.11|お知らせ

【Let’s納税】普及するキャッシュレス決済~納付方法の選択

 最近、コロナのオミクロン株の感染が急速に拡大し、第6波の懸念がされています。世界中で猛威を振るうコロナにより私たちの生活様式にも大きな影響がありました。できるだけ人と接しない生活を余儀なくされ、外出も制限されました。非接触型の決済方法として、キャッシュレス決済の普及は、セルフレジの普及等により人と接触しないことや、消費者の利用時間短縮に力添えをしたといえます。
 キャッシュレス決済使用率は、2015年には18.2%でしたが、2020年には29.7%と約1.5倍の使用率になっています。(財務省,広報誌「ファイナンス」令和3年8月号;経済産業省,キャッシュレスの現状及び意義,2020年1月)
 主に身近で、キャッシュレスを使用するのは、消費者として、商品を買った際に利用するキャッシュレス決済ですが、税金の納付方法にも、「キャッシュレス納付」があります。
今回は「キャッシュレス納付」についてご紹介します。

1.キャッシュレス納付普及のための国の取り組み

 国・財務省は、納税者の利便性向上や社会コスト縮減の観点から、申告手続や納付手続のオンライン化を進めています。

「オンライン利用率引き上げの基本計画」を策定し、

(1)国税申告手続(法人税申告)

(2)国税申告手続(消費税申告(法人))、

(3)国税納付手続

 上記3つの手続を対象として国税のキャッシュレス納付を拡大するため、申告手続のオンライン化を推進し、オンライン利用率を令和 5年度末までに 90%超とすることを目標にしています。

 すでに平成 30年度税制改正で、大法人の電子申告義務化(令和 2年 4月以後開始事業年度から適用)されており、大法人の法人税・消費税の申告は電子申告の利用率 100%になっていくとみられます。

 

中小法人は現在電子申告義務化の対象とはなっていませんが、今後、電子申告の義務化が実施されるとみられます。

 

 法人税や消費税の申告を電子で行い、オンライン利用率の引き上げ、次に納付手続きであるキャッシュレス決済を進めていくことで、申告と納税を一体化して進めています。

 

 現在のオンライン利用率は、法人申告で87.1%、消費税申告(法人)で86.8%となっており、キャッシュレス納付は、令和元年時点では25.6%の利用率であり令和7年までに40%への引き上げることを目標としています。

(財務省:広報誌「ファイナンス」令和3年8月号より)

それでは、現在の税金の納付の方法はどのような方法があるのでしょうか。

2.現金納付とキャッシュレス納付

 現在の納付方法は大きく分けて現金納付とキャッシュレス納付に分けられます。

◆現金納付

 現金納付には、窓口納付とコンビニ納付があり、現金に納付書を添えて納付する方法です。

 コンビニ納付は、平成31 年(2019 年)1月以降から、ご自宅などで、確定申告書等作成コーナーやコンビニ納付用QR コード作成専用画面から納付に必要な情報をQR コードとして作成(印刷)し、コンビニエンスストアで納付できるようになりました。

 

◆キャッシュレス納付

 キャッシュレス納付は、金融機関や税務署の窓口に出向かないでも納税ができる方法です。一概にキャッシュレス納付といっても種類が多くあり、ダイレクト納付、インターネットバンキング等、クレジットカード納付、振替納税があります。

今後導入予定として、スマートフォンアプリ決済サービスを利用して納付する方法(スマホアプリ納付)も出現するようです。

 

 

 納税の選択肢が増えましたが、逆にどの納付の方法を選択すればよいのか悩みますね。選択の矛盾理論ですね。コーヒーショップなどでメニューの組み合わせを選ぶのに困るのに似ています。

 今回は、それぞれのメリット・デメリットをご紹介していくことで、自身の環境に合った納付方法を見つけるお力添えをしたいと思います。

まずは、現金納付のメリット・デメリットを見ていきましょう。

3.現金納付のメリット・デメリット

メリット

  • 手数料がかからない
  • 納付書が送付されてくる(キャッシュレス納付は送られてこなくなる)

デメリット

  • 窓口が開いている時間でしか納付できない
  • 窓口まで出向く必要がある
  • 30万円を超える納付ができない(コンビニ納付の場合)
  • クレジットカード、電子マネーは利用できない

 

一般的な方法ですが、デメリットに注目すると時間的な制約と場所的な制約があります。

4.キャッシュレス納付のメリット・デメリット

キャッシュレス納付には現在下記の4つ納付方法があります。

(それぞれクリックすると国税庁HPの納付手続きの流れにリンクしています)

  1. ダイレクト納付
  2. インターネットバンキング等
  3. クレジットカード
  4. 振替納税

 

1.ダイレクト納付

 

 ダイレクト納付は、e-Tax(国税電子申告・納税システム)により申告書等を提出した後、納税者ご自身名義の預貯金口座から、即時又は指定した期日に、口座引落しにより国税を電子納付する手続です。

利用の際は、事前に税務署へe-Taxの利用開始手続を行った上、税務署又は利用される金融機関に専用の届出書を提出する必要があります。

 

メリット

  • すべての種類の税金で利用可能(ただし、送信データにより利用できない場合もある)
  • 手数料がかからない
  • 自宅で納付手続きが完了
  • 税理士が納税者に代わって納付手続きを行うことが可能

 

デメリット

  • e-Taxのシステムを利用する必要がある(操作に慣れていないと少し手間がかかる)
  • e-Taxの開始届出書及びダイレクト納付利用届出書の提出が必要
  • 事前の手続きの承認に一ヶ月程度必要

 

 

2.インターネットバンキング等

 

 インターネットバンキング等からの納付手続とは、インターネットバンキングやATM等により国税を電子納付する手続です。利用の際は事前に税務署へe-Tax(国税電子申告・納税システム)の利用開始手続を行う必要があります。

 

 

メリット

  • パソコンやスマートフォンから自分で納付できる
  • 多くの金融機関が利用できる

 

デメリット

  • e-Taxの開始届出書の提出が事前に必要
  • インターネットバンキング又はモバイルバンキングの契約が必要

 

 

3.クレジットカード納付

 

 クレジットカード納付とは、インターネット上でのクレジットカード支払の機能を利用して、国税庁長官が指定した納付受託者へ、国税の納付の立替払いを委託することにより納付する手続です。

 

メリット

  • 分割払いやリボ払いが選べる
  • クレジットのポイントが付与される

 

デメリット

  • 納付税額に応じた決済手数料がかかる
  • 毎回手続きが必要
  • 金額の上限が1,000万円未満かつカード利用可能範囲内

 

 

 

4.振替納税(申告所得税・消費税(個人))

 振替納税の申込みをすることで、毎年の確定申告等に係る国税を口座引き落としにより納付する方法です。

 

メリット

  • 手数料がかからない
  • 一度手続きをすれば、翌年以降の手続きが不要
  • 金額の制限なし

 

デメリット

  • 事前に依頼書の提出が必要
  • 納付できる税金の種類が決まっている

 

キャッシュレス納付を行うためには、事前に手続きが必要です。しかし、一度手続きを行うと、現金納付にくらべて、デメリットが少なくなり、今後の手間が継続してグッと削減されます。

5.おわりに

今回「キャッシュレス納付」をご紹介させていただきました。

キャッシュレス納付は、直接税金の金額が抑えられたりするものではありませんが、

税金納付にかかるコストの削減になります。「キャッシュレス納付」によるコストの検討をしてみてはいかがでしょうか。キャッシュレス納付は事前に手続きが必要ですので、ご不明な際は顧問税理士にご相談ください。

 

※当社では、顧問契約を締結しているお客様以外の個別の税務相談には対応いたしかねます。何卒ご了承ください。

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