Menu

Column

スタッフコラム

全拠点
2021.09.06|お知らせ

ペットと税金

コロナ禍による影響で、ペットの新規飼育数が増加したとの調査結果があることをご存知でしょうか。
外出自粛を迫られ、家にこもる生活が続くなか、日常生活への刺激や癒しを求めて新たに迎える傾向が高まっているようです。
自治体やボランティア団体が開催する譲渡会に参加したり、ペットショップで購入したり、今は色んな方法で様々な種類の動物を迎え、飼育することができます。
今回は、ペットにまつわる税金についてまとめてみました。

引用元:一般社団法人ペットフード協会・令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査結果 

1.ペットの食事にかかる消費税

2019年10月から消費税が10%に引き上げられましたが、軽減税率制度によって、飲食料品は8%据え置きとなりました。
しかし、ペットフードは8%の対象とはなりません。なぜでしょうか。
これは、食品の定義が関係しています。軽減税率制度のなかで、食品とは「人」が飲用・食用するものと定められているからです。
そのため、ペットや畜産業の家畜に与えられる飼料は「食品」とはみなされないので、消費税は10%になってしまうのです。
ちなみに、ペット用の飼料を人が食用するために購入したとしても(昨今はバリエーションも多く、人から見ても美味しそうなものがありますが)、8%とはなりませんのでお気を付けください。

引用元:国税庁・よくわかる消費税軽減税率制度  

2.ペットの医療にかかる消費税

ペットの医療費についてはどうでしょうか。
「人」の医療費は非課税取引とされているため、医療機関と患者間において消費税は発生しません。
ですが、動物病院でペットが診察や検査などを受けた場合、これには消費税がかかります。理由は、ペットは法律上「物」であると解釈されているためです。
ペットがいなくなってしまった時、警察に申し出る際にも、「捜索願」ではなく「遺失物届」を提出し、落し物扱いとするのも同様の理由からです。
また、ペットの医療費について、保険なども多く展開されていますが、「物」であるため、「損害保険」に分類されます。
このことから、確定申告で申告の対象となる「医療費控除」や「生命保険料控除」からも除外されることとなります。

引用元:厚生労働省・消費税と診療報酬について 

3.動物そのものにかかる動物税

現在、ペット税を取り入れている国が世界にいくつかあります。
例えばドイツでは州ごとに納税義務が課せられており、頭数ごとに課税金額が上乗せされます。納付した証として、札を受け取り、首輪への装着まで義務付けられています。
どれも「犬」についてのみ発生し、頭数制限をかける目的なども含まれ、徴収された税はフン害対策の美化活動などに充てられています。
日本でも、過去に動物税が存在していました。市町村税のひとつとして、各自治体ごと・動物の種類ごとに計算され、餌代などについて発生していました。
特に京都では、犬種によって異なる税率が課せられていたとの記録が残っています。
国税庁ホームページにクイズがありますので、ぜひ挑戦してみてください。

引用元: 国税庁・税の歴史クイズ(犬税)

4.最後に

いかがでしたでしょうか。ペットにかかる税金について、ご紹介しました。
私たちとペットの関係は、現在の法律上、「人」と「物」に分けられてしまいますが、どちらも等しく「命」です。
命が生涯を全うするその日まで、ずっと世話をする必要があります。お金も時間も愛情もたくさんかかりますが、得られるものも多くあると思います。
すでにペットがいる人も、コロナ禍を期に新しいペットを迎え入れた人も、素敵な生活を送ってくださいね。

(文責:京都事務所 阪井)

※当社では、顧問契約を締結しているお客様以外の個別の税務相談には対応いたしかねます。何卒ご了承ください。

税理士変更をお考えの方はこちら
メールマガジン
登録
お見積り
ご相談