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2021.04.19|お知らせ

高校3年生は大人です!18歳に成年年齢を引き下げることで与える影響

令和4年4月1日から成年年齢が18歳に改正されます。
平成30年6月13日の参院本会議で、成年年齢を20歳から18歳に引き下げる、「成年年齢引き下げ」について改正民法法案が可決されました。
日本では明治9年に成年年齢が20歳とされてから140年間変わることなく続いてきたことを考えれば大きな改正であることがわかります。
そこで、成年年齢が18歳に引き下げられたことの影響について今回は少しお話ししたいと思います。

1.たばこは!?ギャンブルは!?お酒はどうなるの??変わるものと変わらないもの!

【変わらないもの】 

たばこ、ギャンブル、飲酒などは成年保護や健康被害、ギャンブル依存症対策などの観点から現状通り20歳のままとなっています。

 

【変わるもの】

・親の同意なくクレジットカードの作成、携帯電話の契約、ローンを組むことや、10年有効のパスポートを取得したり、公認会計士や司法書士、行政書士(資格試験への合格等が必要です。)などの国家資格に基づく職業に就くことができるようになります。

 

・女性が結婚できる年齢が16歳から18歳に変更され、男女ともに結婚できる年齢は18歳からと統一されることになります。

現在,結婚ができる年齢に男女差が設けられているのは,男女間で心身の発達に差異があるためであるとされていますが、社会的・経済的な成熟度といった観点からは男女間に特段の違いはないと考えられるため、結婚ができる年齢における男女の取扱いの差異を解消することにしたからです。

 

 

 

出典:政府広報オンライン参照 https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201808/2.html

 

2.成年年齢が18歳に改正されたことで税金に与える影響はあるのか!?

実は相続税や贈与税については20歳が基準となっているものがいくつかあります。

その中で今回は影響を受けやすいと考えられている〝未成年者控除〟と〝相続時精算課税制度〟について知っていただきたいと思います。

 

【未成年者控除】

未成年者控除とは相続人が未成年である場合、相続税額から一定額(20歳に到達するまでの年数×10万円)を引くことができる控除制度のことです。

令和4年4月1日以降開始の相続からは18歳未満となります。

 

現行の計算式:   (20歳 ー 相続開始の年齢)× 10万円   ※最大200万円

改正後の計算式:(18歳 ー 相続開始の年齢)× 10万円   ※最大180万円

改正後はこれまでより20万円控除額が少なくなることになります。

 

・2回目以降の相続について改正の注意点

すでに未成年者控除を受けた相続人が改正後に2回目の未成年者控除を受けるときは注意が必要となってきます。

なぜなら、すでに未成年者控除を受けたことがある相続人が2回目以降で控除できる金額は、最初の相続税額から引ききれなかった残額となるからです。

 

<具体例>

平成30年  1回目 相続開始時3歳(相続税額50万円)

令和4年  2回目 相続開始時7歳(相続税額80万円) ※改正後の場合

 

1回目の相続時には(20歳-3歳)×10万円=170万円まで控除が可能(50万円全額を控除可能)でした。

2回目の相続時には成年年齢を18歳で計算をする必要があるため、控除額が(18歳-7歳)×10万円=110万円に引き下がります。
110万円から1回目に控除を受けた50万円を引いて、2回目の相続では60万円まで控除ができることになります。

(80万円-60万円=20万円の納税)

成年年齢が20歳までであれば今回のケースでは相続税額0円となっていたところ20万円の納税となってしまい、今回の改正は相続人が未成年者であれば実質的な増税となります。

 

【相続時精算課税制度】

相続時精算課税制度とは、贈与税の制度のひとつで、60歳以上の父母または祖父母から20歳以上(現行)の子や孫に対し財産を贈与した場合に2,500万円まで贈与税の納税なしに財産を贈与できる制度になります。こちらも改正により令和4年4月1日以降に18歳であれば改正前より早く贈与することができるようになります。

 

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3.まとめ

成年年齢を18歳に引き下げることで政府や各自治体が解決しなければならない問題は山積みです。

例えば成人式はどうなるのか。このままでは令和5年の成人式には18歳~20歳の3世代が同時に成人を迎えることになります。

さらに高校3年生ついては受験シーズン真っ只中に成人式をすることになるのか。

また、成年に達すると、親の同意がなくても自分で契約ができるようになり未成年者取消権は行使できなくなります。つまり、契約を結ぶかどうかを決めるのも自分なら、その契約に対して責任を負うのも自分自身になります。
社会経験に乏しく、保護がなくなったばかりの成年を狙い打ちにする悪質な業者も出てくることは容易に想像できます。

こうした犯罪行為に対しても政府はしっかりとした対策をしたうえで、18歳でも安心して成年を迎えられるようにしてもらいたいところです。

                         

(文責:京都事務所 高塚)

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