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2024.08.12|CEOコラム

納税者として怒ろう ~CEOコラム[もっと光を]vol.235

 医大を運営する学校法人の経営を窮境に陥れたにもかかわらず、「恥じることは何もしていない」と開き直る理事長と、その唯我独尊・独断専行を増長させた理事や監事の罪が大きいことを前号で指摘しました。「恥じることは何もしていない」どころか「恥じることだらけ」の組織実態が白日の下に晒された以上、理事や監事としての選択肢は、もはや一択しかなかったことは言うまでもありません。

 

 去る8月8日、同法人の理事会はこの期に及んでも辞任を躊躇う理事長を解任したことを明らかにしました。他の理事や監事も一連の問題の責任をとって全員が辞任する見通しだそうです。残された唯一の選択肢だったと思いますが、組織のガバナンスがゼロに等しかったことを世間に晒したわけですから、理事や監事も辞任して終わりではありません。改めて自らの責任に向き合ってもらわなければ困ります。

 

 一介の市井人がそこまで指弾するのには理由があります。この学校法人には私たちの税金が20億円以上も投入されているのですから、納税者の一人として看過するわけにはいかないのです。これは私学助成という仕組みで国庫から補助金が給付されているもので、資料をご覧いただいてわかるとおり、早稲田大学の87億円を筆頭に有力な私学が上位に名を連ねています。2位の慶応をはじめ、昭和、東海、順天堂、近畿、北里、福岡、帝京など医学部を擁する私学が上位にランクされていることも特筆に値します。

 

 かつては、日本大学にも100億円前後の補助金が給付されていましたが、当時の理事長の脱税事件やアメフト大麻事件等で給付が停止され、紹介したリストから名前が消えています。既に4年以上にわたって給付が停止されていることから、学校法人にとっては400億円近い収入が「消えた」ことになります。事件の当事者の罪がいかに重いかを改めて知るべきでしょう。そうした前例があるにもかかわらず、不祥事が繰り返されるのですから、関係者の学習能力の欠如には驚くほかはありません。お金に色はついていないとは言うものの、私たちの税金である補助金の一部が理事長の懐に環流していたなど、納税者として許せる話しではありません。納税者はもっと怒らなければならないと思います。

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