12月決算法人の2月申告、3月15日の所得税等の確定申告、そして3月決算法人への事前対応など、この時期は会計や税務に関する業務メニューが目白押しです。多忙であることは書き入れ時でもあるのですから、それはそれで幸いなことではあるのですが(笑)。税理士法人をはじめ多くの税理士事務所では、こうした従来ながらの会計業務や税務業務をコアな業務に位置付けて運営しているのが実態ですが、この状況が今後も継続するのかというと少々疑問なしとしません。
某週刊誌によりますと、コロナ禍でステイホームを余儀なくされた学生など若年層の資格取得熱が高まり、税理士もその例外ではないというのです。確かに受験者数がここ数年で反転増加していることは事実です。資格を取得したところで即座に戦力になることはないとはいえ、絶対数の増加は競争原因の一つであることは間違いないでしょうし、そもそも税理士業を取り巻く市場環境自体が大きく変化していることに注目しておかなければなりません。
そこで弊社では、従来ながらのコアな業務は存置しつつも、相続に関わる諸々のご相談に応じる体制や中小企業のDXをサポートする業務、あるいは昨今の人手不足を背景に高まりつつある人材確保のための人事コンサルティングなどといった周辺業務に注力しています。人事コンサルティングに関しては、出版社から小冊子の編集を依頼されたこともあって、この週末はその監修作業に追われていたのですが、「はしがき」には次のように記しました。
「近年は、労働市場が様変わりして転職に違和感や抵抗がなくなったことに加えて、働き方改革関連法の施行やコロナ禍で働き方が変化したことから、労働者の仕事観や働き方も大きく様変わりしました。数年前までは中小企業において組織や人材に関する課題に正面から取り組む事例は少数でした。ところが、このような急速な環境変化によって、これらの課題に目を向け、前向きに取り組む中小企業が増えてきました」と書いたのですが、要はサービス業にとってニーズの所在を的確に察知して、それに応えることこそがミッションであると改めて痛感しています。そして、そのニーズはもはや会計や税務に関連するものばかりでないことも。