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2024.03.04|CEOコラム

「かくまでも醜き国」にしているのは誰か ~CEOコラム[もっと光を]vol.212

 国会会議録検索システムという便利なサイトがあります。これは国立国会図書館が構築している国会会議録のテキストデータベースを国民向けに解放しているもので、なんと80年近く前の1947(昭和22)年5月開催の第1回国会の議事録から収録されています。ここをクリックしますと、衆参両院の会議開催日はもちろん、キーワードによる検索もできるという優れものです。

 

 事実は小説より奇なりと言いますが、下手な小説よりも国会の議事録に目を通す方が有益なこともあります。例えば、石原慎太郎氏が東京都知事を4期目半ばで辞して国政へ復帰して間もない2013(平成25)年2月12日の衆議院予算委員会での質疑の議事録に目を通しますと、氏の憂いが改めて現実のものになっていることに共鳴せざるを得ません。そこで、その冒頭の一部を国会会議録検索システムから引用します。

 

 『浦島太郎のように18年ぶりに国会に戻ってまいりました。(中略)私がこの年になってこの挙に出た一番強いゆえんは、実は、昨年の十月ごろですか、靖国神社でお聞きした、九十を超されたある戦争未亡人のつくった歌なんです。この方は二十前後で結婚されて、子供さんももうけられた。しかし、御主人がすぐ戦死をされた。その方が九十を超して、今の日本を眺めて、こういう歌をつくられた。
 「かくまでも醜き国になりたれば捧げし人のただに惜しまる」
 これは、私、本当に強い共感を持ってこの歌を聞いたんですが、国民の多くは、残念ながら我欲に走っている。』

 

 氏は国民の多くが我欲に走っていると言いましたが、11年後の今、誰よりも我欲に走っているのは政権与党の議員達であることは疑う余地がありません。そして、確定申告が佳境を迎える中で、事もあろうに国税当局を主管する大臣が「納税は個人の判断」と言い放つに至っては、「かくまでも醜き国」にしているのは誰なのかは明白です。ちなみに、納税は個人の判断などでは決してなく、所得がある以上は義務であることは小学生でも知っています。そして、そのお手伝いをするのが私たち税理士のミッションであることも。

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