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2024.01.09|CEOコラム

ヒューマンエラーをいかに防ぐか ~CEOコラム[もっと光を]vol.204

 ヒューマンエラーとは人為的なミスのことであり、特に機械の操作や操縦において事故や予期せぬ結果を防ぐことに「失敗すること」であるといわれます。先週2日に起こった羽田空港における日航機と海保機の衝突事故に関しても、その経緯が徐々に明らかになるにつれ、原因は複数のヒューマンエラーが重なったことによる不幸な事故であったという見方が有力になりつつあります。

 

 海保機は管制官の指示をなぜ取り違えたのか、管制官は海保機の指示違反を知らせるアラームをなぜ見落としたのか、日航機は眼前に侵入してきた海保機をなぜ視認できなかったのか。三者三様のヒューマンエラーが重なった結果が事故につながったとすれば、大変不幸なことであると同時にその防止策が改めて問われなければなりません。

 

 ヒューマンエラーは機械の操作や操縦に限らず、私たちの日々のルーチンワークの中にも潜んでいます。慣れがもたらす基本的な確認行動の軽視、あるいは経験があるが故の自己確信(思い込み)の惹起。これらが不幸にして重複した際に事故が起こることを再確認する必要があります。

 

 これを防止するために「人間は間違える」ことを前提とした対策が講じられてきました。例えば、安全確認を「指で差す動作」で行う指差喚呼などは鉄道運行の分野で常用されている手法ですが、ミスの発生確率を低減する効果のあることが証明されています。あるいは、チェックリストの利用やダブルチェック体制の構築など、事務職の分野でも取り組むべき対策はいくつもあります。もっとも、それが形骸化して確認も検討もしないままに「✔」を入れたりしたのでは、何の意味もないのですが…

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