国会が終盤を迎えようとする中、自由民主党の派閥における裏金疑惑で政権は大揺れです。疑惑の中心人物でもある官房長官の国会答弁を聞きましたが、あのような物の言い方では世間に喧嘩を売っているようなものですから、更迭は時間の問題でしょう。
疑惑の解明に向けて捜査を担当する東京地検特捜部は全国から応援の検事を集めて本腰を入れているとも報じられていますから、今後の動向から目が離せないと言ったところです。繰り返される「政治とカネ」の問題には辟易しますが、これが自由民主党のDNAであることを有権者は再認識するべきだと思います。
それはさておき、この国会において「金融商品取引法等の一部を改正する法律」が成立し、2024年4月1日から上場会社の第1・第3四半期報告書を廃止して取引所規則に基づく四半期決算短信に一本化することが決まりました。一方、第2四半期報告書は半期報告書に衣替えして存置されます。いわば先祖返りしたというわけです。
実は、四半期報告書は15年ほど前に企業業績の速やかな公表を目的に鳴り物入りで導入された経緯があります。それにもかかわらず、四半期決算短信と重複した情報にコストをかける意味がないとか、短期よりも中長期的な情報の重要性が増しているなどといった理由で廃止されました。時代の変化に即応するというと聞こえは良いですが、朝令暮改といえなくもありません。四半期報告書の廃止によって監査法人のレビューも不要になったのですが、四半期決算短信にレビューを要するかどうかの議論が始まっています。仕事柄、こちらも今後の動向から目が離せないところです。