昨日(10月22日)、京都三大祭のひとつである「時代祭」と日本三大火祭のひとつである「鞍馬の火祭」が執り行われました。カレンダーが日曜日という幸いに加えて、京都はまたとない好天の秋空に恵まれたことから例年にない人出となったようです。特に鞍馬の火祭はコロナ感染症の影響で規模を縮小していたところ、今年は4年ぶりにフルスペックで行われるということで一層の盛り上がりを見せていました。
筆者もお誘いを受けて鞍馬へ出かけたのですが、現地へ向かう唯一の交通機関である叡山電鉄の出町柳駅では早い時間から混雑が始まっていて通勤ラッシュも顔負けの状況でした。そして、乗客の7割方が外国人であったことはさらに驚きで、オーバーツーリズムの一端を垣間見たようです。現地では、集落各所に焚かれたかがり火の中を氏子が松明を持って練り歩く様子を間近で見ることができましたが、やはり一見の価値はありです。その様子を撮影した写真を添付しましたので、ご笑覧ください。
しかし、祭りの表舞台を見るだけでは全体のことは分かりません。ご縁を得て保存会会長宅へお邪魔してお話を聞くことができたのですが、祭りの準備は初夏の頃から始まり、本番を迎えるにあたっては正月を迎えるよりも大変とのこと。本番に向けた消防や警察との調整も不可欠で、特に警備に関しては年々厳しくなっていて、本来の祭りのあり方とのバランスに苦慮しているとのことでした。
保存会会長の奥様が「祭りは男性主導ですが、衣装の手入れから草鞋の仕様変更といった細かなことを含めて裏方を支えているのは女性です」と仰っていましたが、これは経営にも共通することです。表舞台は営業をはじめとする現業部門であることは事実ですが、総務や経理といった裏方を担う管理部門が有効に機能してこそ経営は首尾良い結果を出すことができるからです。歴史を培おうとする経営者は、歴史を重ねてきた祭礼行事から学ぶことが少なくないことを松明の火は語っていました。