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2023.09.04|CEOコラム

今こそ鉄道貨物復権の好機 ~CEOコラム[もっと光を]vol.186

 去る8月31日、大手百貨店「そごう・西武」の労働組合が西武池袋本店でストライキを決行しました。報道によると、百貨店でストライキが実施されるのは1962(昭和37)年の阪神百貨店以来、61年ぶりだそうです。憲法第28条は、労働者の「団結権」、「団体交渉権」、「団体行動権」の労働三権を認めていますから、ストライキそのものは批判されるものではありません。

 

 今回、久しぶりに行使されたストライキは、親会社による米投資ファンドへの会社売却後も安易な配置転換や解雇をしないように労働組合側が求めていることが契機になっているようです。つまり、その目的が「従業員の雇用の維持・確保」にあるとのことですが、そのことと顧客に不利益を強いることとの比較考量については一部で批判もあるようです。

 

 かつての国鉄は、公共の福祉の観点からストライキ権が法律で制限されていましたが、これに強く反発した労働組合が「スト権スト」と称して全国規模のストライキを決行し、国内の物流・人流が麻痺するという事態を引き起こしました。今から半世紀ほど前の1975(昭和50)年11月のことです。しかし、却って国民の反発を招き、このストライキが契機となって国鉄解体論が台頭し、その後6つの地域別JRとJR貨物の7社に分割民営化されたことはご承知の通りです。

 

 歴史に「if」は禁物とはいえ、このスト権ストがなければ国鉄は今も存在していたかもしれません。その物流ネットワークも進化・発展し、トラック業界の一人勝ちにはならなかったでしょう。しかし、覇者となったトラック業界も2024年問題に大きく揺れています。そのような今こそ、鉄道貨物復権の好機ではないでしょうか。貨物列車の増発に向けてJR貨物は密かに機関車の大量増備を計画しています。先月7日付の官報にそのことが報じられていたことを知る人は多くはありませんが、「ガンバレ、JR貨物!」とエールを送りたいところです。

 

(注)該当の官報のURLを貼り付けていますが、無料の「インターネット版官報」の公開期間は「90日間」ですので、それを過ぎますと有料版でしか閲覧できないことをご了解ください。

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