今月初めに令和5年版の厚生労働白書(令和4年度厚生労働行政年次報告)が公表されました。その副題は「つながり・支え合いのある地域共生社会」とされており、はしがきには「第1部では全ての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り、高め合うことができる社会の実現に向けた展望を論じた」とありますが、少子化対策や働き方改革、年金制度や医療のあり方といったコアな政策課題への対応は第2部として300ページを超える紙幅が費やされています。
なにしろ全体で462ページにも及ぶ大部ですから読むのもなかなか大変ですので、厚生労働省のホームページにアップされている概要版に目を通すのが手っ取り早いのですが、そこに「日本の一日」という資料があって「日本で一日に起こる出来事の数を調べてみました」という面白いデータがイラストとともに示されています。例えば、一日に生まれる子供の数が2,112人で、亡くなる人が4,299人。一日に結婚するのが1,383組で、離婚するのが491組だそうです。さらに、一日に通院している人は約713万人で、入院している人が約121万人。それに費やされる医療費が一日あたり1,177億円で、一人あたりに換算すると933円になるそうです。
このように、大きな数字も「一日あたり」や「一人あたり」に換算してみると身近に感じることができます。前回、国内のユーザーを蔑ろにしている某自動車メーカーの話をしましたが、同社の2023年3月期の有価証券報告書によると、連結売上高は37兆1,542億円で税引前利益が3兆6,687億円とされています。これらの数字を同社の販売台数である8,821千台で割ってみると「一台あたりの売上高」が約421万円、「一台あたりの利益」が約42万円と計算することができます。
これはメーカーの利益ですから、私たちがクルマを購入する窓口となる販売店にも利益がもたらされていることは当然です。このメーカーの販売店の粗利は約15%のようですから、私たちが400万円のクルマを買うと約100万円がメーカーと販売店の利益になるというわけです。1,000万円のクルマなら250万円になることは言うまでもありません。さて、こうした数字を知ってしまうと、高額なクルマってホントに買うべきなのかどうか少々迷いますね(笑)