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2023.08.07|CEOコラム

歴史に「if」は禁物ですが… ~CEOコラム[もっと光を]vol.182

 昨8月6日、広島は被爆から78回目の「原爆の日」を迎えました。この1年間に新たに原爆死没者名簿に書き加えられた5,320人を含めて死没者総数は33万9,227人になったとのことです。現在の広島市の人口は約118万人ですが、当時は約34万人でしたから、結局は広島市の人口のほとんどが亡くなったことになります。

 

 つまり、原爆は一つの都市を文字通り「消滅」させたわけです。そのような核兵器が世界には約1万2千発も存在し、最多の6千発を保有するロシアがウクライナ侵攻で核の威嚇を繰り返していることはご承知の通りです。さらに、隣国の中国はこの1年間で2割近くを増備し、既に約400発を保有していると報じられています。

 

 要は、地球上のいずれの都市もいつ消滅させられてもおかしくない状況におかれているのが現在の世界情勢ですが、実は京都も消滅するはずの都市でした。当時の原爆投下の最有力候補地が京都であり、原爆の効果を測定するために敢えて通常爆弾で破壊することなく市街地を温存していたという史実はあまり語られていません。神社仏閣をはじめとする文化遺産が数多くあったから京都は空襲を免れたというのは後付けの都市伝説に過ぎないのです。

 

 三方を山に囲まれて南だけが開口している京都の地形は原爆の効果を発揮させるのに好都合だそうです。したがって、京都は戦略上の理由に加えて地理的にも最有力候補地とされていました。この点、広島も長崎も地形的に相似していることは地図を見れば明らかです。ただ、歴史の偶然のいたずらで原爆は京都ではなく広島と長崎に投下されました。歴史に「if」は禁物ですが、京都御所が平和祈念公園になり、昨日の慰霊式や平和祈念式典も京都御所の跡地で行われていたかもしれないのです。仮にそうであれば、筆者はこの世に生を受けることはなく、したがって本コラムも存在していないのですが…

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