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スタッフコラム

2019.06.03|CEOコラム

カタカナやアルファベットの社名に要注意-相次ぐ粉飾決算と不祥事~週刊ひかり vol.10


 DLE、LIXIL、MTG、スペースバリューHD、アルテリア。これらはすべて上場会社の社名ですが、こんなアルファベットやカタカナの社名からは、一体どのようなビジネスをしているのか皆目見当がつきません。その点、ひかり税理士法人は単純明快ですし、堀場製作所や宝酒造といった地元企業も創業者の名前や業種を表す社名であることから、分かりやすさや信頼感という意味では数段優れています。

 もちろん、カタカナ社名にもそれなりの由来があるのでしょうし、社名をアルファベットで表示する理由など各社の事情もあるでしょうから、それは横へ措いておくとしても、ここに掲げたアルファベットやカタカナ社名の会社に粉飾決算をはじめとする不祥事が相次いでいるとなると、やはりアルファベットやカタカナ社名に対する信頼度はイマイチと言わざるを得ません。

 ところで、冒頭のDLE社は「Dream Link Entertainment」の略だそうで、直訳すれば「夢と娯楽の結合」。何となく雰囲気は伝わってきますが、実はアニメ「秘密結社鷹の爪」の制作会社です。同社が公表した第三者委員会報告書によりますと、その粉飾決算の手口は、制作委員会(映像制作のためにテレビ局や出版社、広告代理店等が出資する民法上の組合のこと)方式による映像制作に関して他の出資会社の合意を得ないまま制作費の20%相当額を企画料名目で売上に計上していたというものです。何ら実態がないにもかかわらず「頭の中で企画は行ったのだから、合意はなくても企画売上は計上できる」と考えたそうですが、そんな頭の中の企画を売上に計上したところで、回収可能性はありませんから、いずれ粉飾決算との指摘を受けるのは時間の問題だったわけです。これを数字で説明しますと、同社の5事業年度の当期純利益合計は645百万円であったところ、同期間の営業キャッシュフローは917百万円の赤字になっていたというのですから、これは文字通り現金の裏付けのない利益が計上されていたことに他なりません。その結果、営業債権は535百万円から2,217百万円に増加しています。つまり、計上された売上は回収されることなく、すべて不良債権となって貸借対照表を膨らませていたのです。

 さて、DLE社は上場会社ですから、当然に監査法人の監査を受けていました。しかし、その監査法人はこんな単純で幼稚な粉飾決算を見破ることができずに、事件が発覚するまで連綿と「無限定適正」の監査報告書を提出し続けていたのです。これが日本を代表する大手監査法人だというのですから驚きです。で、この監査法人の社名もカタカナだったというのが話しのオチだとすると、これはもう笑い話では済まされませんね(笑)
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