今年も拙著「マンガと図解 新・くらしの税金百科」の「2023→2024バージョン」が完成しました。まもなく書店の店頭に並ぶと思いますので、是非、手に取ってご覧いただければ幸いです。また、ご希望の方には弊社から贈呈させていただきますので、総務部宛にご一報いただきますよう、お願いいたします。
さて、今年の税制改正項目を本文に織り込む中で、日本語の使い方について思案したところがいくつかありました。例えば、相続開始前に贈与があった場合の相続税の課税価格への加算期間が3年から7年に見直されたのですが、財務省の解説等では「加算期間を7年に延長した」とされていることに強い違和感を覚えました。つまり、納税者有利の状況が続くのであれば「延長」という語感に馴染むものの、納税者不利に作用する改正(改悪?)なのですから、ここは「延長」ではなく「変更」とするのが正しい日本語ではないかと思案したわけです。
結論は、もちろん「変更」にしました。日本語の使い方として正しい選択をしたと自負しています。このことに関連する話題ですが、最近、日本語を正しく理解していない事例に遭遇して少々憤っています。といいますのも、某私鉄が新設した「準特急」なる列車種別名称の事例です。目的地に急いで行くので「急行」、そのグレードアップ版が「特別急行」つまり「特急」で、急行に準ずる速度や料金設定のものが「準急行」つまり「準急」であるはずのところ、いったい「準特急」とは何ぞや、というわけです。
日本語の正しい使い方を無視して「準特急」などという意味不明の列車種別を勝手に作られても困りますが、「準特急」を「特別に準ずる急行」と読むとすれば、それって結局「急行」そのもの以外の何物でもありません。「特別」でランクを上げて「準」でランクを下げてと文字通り言葉を弄んでいるだけです。どうやら、無理矢理にでも「特急」の名を冠して運賃のほかに特急料金を徴収したいというのが、この某私鉄の本音のようですから、どっこいその手には乗らないようにしたいものです。