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スタッフコラム

2019.07.22|CEOコラム

処分される監査法人や税理士-明日は我が身にならないように~週刊ひかり vol.17


 お笑い芸人がヤミ営業で反社会的勢力からギャラをもらっていたということで騒ぎになっています。震源地である本人たちが責められるのは当然として、所属するプロダクション会社の対応にも批判が集まるなど、余震はまだまだ続きそうです。それはさておき、業務上の問題が生じた場合、応分の責任をとらなければならないことは、どのような職業でも同じです。ましてや、法律によって保護されている職業であればなおさらであり、その意味では、私たち公認会計士や税理士には職業倫理という名のもとに強い遵法姿勢が求められています。

 したがって、不幸にして遵法姿勢に対する疑義が生じた場合、監督官庁から処分されるという事態も当然にありえます。もっとも、従来、こうした処分については、あまり喧伝されることなく、水面下で人知れず行われていましたが、昨今の情報公開の流れや事例を公にすることによる同種事案に対する抑止効果の期待などもあって、結果としてネット上で「晒される」ことになります。

 例えば、今月5日、金融庁に対して処分勧告がなされた監査法人については、「監査業務において、会計基準及び監査基準に対する理解が不足し、職業的懐疑心が発揮できていない状況がみられ、それらに起因する重要な不備が広範かつ多数認められ(中略)、当監査法人の個別監査業務の実施は著しく不十分なものとなっている」と指弾されています。一方、税理士に対しても、去る6月28日付で新たに20名を超える対象者が国税庁によって処分されました。「故意による不真正税務書類の作成」や「多額かつ反職業倫理的な自己脱税」などが主な処分理由です。いずれも、金融庁や国税庁のホームページで詳細に公表されています。

 処分される側にも、やむを得ない事情や相応の抗弁もあるのだとは思いますが、監督官庁から処分されてしまうと、職業専門家としての業務の継続は事実上不可能になります。お笑い芸人のように涙の記者会見で取り繕うこともできませんから、もはや万事休す。努々、明日は我が身にならないように、処分された監査法人や税理士たちを反面教師として、日々の業務に邁進することを改めて誓った週末でした。
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