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スタッフコラム

2019.08.05|CEOコラム

国税職員のデータベース-敵を知り己を知れば百戦殆うからず~週刊ひかり vol.19


 過日、久しぶりに顧問先の税務調査に立ち会いました。久しぶりというのは、決して税務調査が少なくなったからというわけではなく、弊社の税理士諸君が立ち会いをしてくれる機会が増えてきた分、筆者の出番が減ったというだけのことです。が、それはそれで幸いなことだと喜んでいます。

 その久しぶりの税務調査の担当者は、普通科38期の調査官と専科48期の事務官でした。科名や期数でお話ししても一般のみなさんにはピンとこないと思いますが、年齢でいうと前者が59歳、後者が23歳という歳の差コンビで、ベテラン調査官が新米事務官を現場で指導するという、いわゆるOJTであることは明らかでした。

 さて、この国税調査官の普通科と専科の違いですが、これは前者が高卒採用組で、後者が大卒で国税専門官試験を経て採用されたグループであることを示しています。国税職員には、財務省や国税庁で採用されたキャリアと称される人たちや他省庁から転籍してきた人たちなどもいて、その出自は多岐にわたっています。しかし、多数派は普通科と専科であり、その期数はそれぞれの採用年次を表します。したがって、普通科38期というと、昭和53年に採用された40年以上の経験があるベテランさんで、既に署長や国税局の幹部になっている人も少なくありません。一方、専科48期というと平成30年採用ですから、まだ経験は1年と少しの新米くんというわけです。

 私たち税理士が税務調査に立ち会うにあたって、担当の調査官のこうした属性について情報を収集しておくことは案外重要なことなのです。その調査官の過去の勤務地や配属先等に関する情報から得意とする分野や税目に予め見当をつけておくことで、調査を円滑に進めるという効用が決して小さくないからです。そのために弊社では国税職員の属性に関する過去20年間の記録をデータベースとして保管しています。つまり、「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」というわけです。
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