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2023.06.05|CEOコラム

ChatGPTを秘書にしたら… ~CEOコラム[もっと光を]vol.173

 英オックスフォード大学のオズボーン准教授らによる「雇用の未来-コンピューター化によって仕事は失われるのか」という論文が話題になったのが2014年のことでした。その論文で、将来コンピューターに取って代わられる確率の高い仕事として「税務申告代行者」や「簿記、会計、監査の事務員」が例示されていたことは、たいへん刺激的で危機感を抱くのに十分な内容でした。

 

 あれから10年も経たない今年2023年、ChatGPTの登場は、「雇用の未来」が投じた一石が、もはや予言ではなく現実のものとなったことを思い知らせるのに十分な出来事だと言ってもよいでしょう。米ゴールドマン・サックスが3月に発表した、生成AIが雇用に与える影響に関するレポートによりますと、職種別のAIによる自動化が可能な比率は、オフィス事務46%、法務44%、財務35%とされています。ホワイトカラーの仕事の大部分がAIに奪われる結果となっているのです。

 

 特に、「言葉を扱う専門職」などは生成AI、つまり人間の指示に答えてテキストによるアウトプットを得意とするAIの格好の餌食になると思います。例えば、通訳や翻訳家などの未来図は描けませんし、過去にストックされた膨大な判例や資料の検索と分析などは生成AIの独壇場ですから、いくら優秀な弁護士といえども歯が立ちません。日本経済新聞では企業の決算記事の一部をAIが書いているとのことですから、新聞記者の淘汰も避けられないでしょう。

 

 もちろん、公認会計士や税理士も例外ではありません。なにしろ、オフィス事務の46%、財務の35%がAIによる自動化が可能なのですから、その周辺に位置する私たちが安泰であるはずがありません。もっとも、生成AIによる職業の浸食に怯えるだけでなく、彼らに決してできないことの腕を磨くことや彼らを優秀な「秘書」として使いこなすことも必要です。「メールの返信」や「プレゼンの資料作り」などのお手伝いをChatGPTにしてもらうというのはどうでしょうか。おっと、それは「秘書」の仕事を奪いますね。

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