今日、5月8日から新型コロナウイルスの感染症法上の分類が季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行します。これまで公費でまかなわれてきた医療費には自己負担が発生し、医療体制も平時に戻るとのことです。また、感染対策も行政サイドからの一律の要請はなくなり、個人の自主的な判断が基本となります。したがって、マスクの着用も「個人の判断」に委ねられます。
もっとも、「個人の判断」とはいえ、マスクの着用が効果的な場面として、医療機関や高齢者施設の訪問時や通勤ラッシュなど混雑した電車やバスに乗る時などは着用が推奨されていますし、店舗や事業者の判断で利用者や従業員に着用を求めるケースもありますから、まだまだ「全面解禁」というわけにはいかないようです。
さて、新型コロナウイルス感染症は、2019年に中国の武漢から始まり、そこから他の国々に拡散し、やがて世界的な感染爆発となったわけですが、これを順番通りに英語で表現すると、endemic→epidemic→pandemicとなります。その語源はギリシャ語で、「一地方(en)」から「より広い地域(epi)」へ、そして「世界中すべて(pan)」の「人々(demo)」に感染が拡大したというわけです。ちなみに、人々(demo)は、支配(kratos)と組み合わされるとdemocracy(民主主義)になりますね。
そして、pandemicよりも懸念されるのがinfodemicであるとも言われています。infodemicは、information(情報)とepidemicの合成語で、情報が氾濫する社会においてデマ情報や伝聞による不確かな情報が拡散される結果、人々がパニックを起こして社会が不安定になることをいいます。infodemicに対する感染予防策は、溢れる情報を確かなフィルターを通してしっかりと選別することに尽きます。そのためには、日頃からフィルターの手入れを怠らないようにしておきたいものです。マスクは外しても情報選別のフィルターを外してはいけません。