4回目のワクチン接種から約 4ヶ月が経過した昨年11月、手元に5回目の接種券が届きました。そこに記録されている過去4回の接種記録を眺めつつ、コロナ禍になってからの3年間、幸いに何事もなかったので、気持ち的には「もう、いいか…」と思って年を越したのですが、年明け早々に新年の挨拶を交わした知人の内科医にその旨を話すと「いや、転ばぬ先の杖で打っておいた方がええよ」と強く勧められました。
そして、「忙しいとは思うけど、時間を作ってウチのクリニックに来たら。受付にその旨を伝えておくし」と優しい言葉をかけていただきました。お言葉に甘えて早速にお邪魔して「お願いします」というと、「ところで、インフルエンザのワクチンは打ったか?」と聞かれました。で、「いや…」と答えると、「ほな、両方やな。左腕がコロナで、右腕がインフル。はい、袖をまくって」といわれるままにワクチンを連発で接種されました(笑)
さて、こうしてコロナワクチンも5回目の接種を勧奨してインフルエンザとの同時流行による医療逼迫を避けたいという行政サイドの思惑も理解できるものの、そのために投じられた国家予算はすでに3兆円を超えているとのことです。それには接種に係る事務費や人件費も含まれますが、ファイザー社やモデルナ社などの外国製薬会社に支払われたワクチン代だけでも2兆4千億円に達すると報じられています。
国産での対応ができずに輸入品に頼らざるを得なかったので「仕方がない…」といえばそれまでですが、なぜ国産できなかったのでしょうか。それは過去に研究開発投資を怠ってきたツケが回ってきたからに他なりません。慌てた厚労省は、塩野義や武田、第一三共などに対してワクチン開発生産体制整備に係る補助金を拠出しましたが、総額で1千億円強に過ぎません。輸入ワクチンに2兆4千億円も支払いながら、国産化の開発支援は20分の1以下というのですから、やはりこの国の将来は危ういと考えた方が良さそうです。