前回のブログで業務廃止をする税理士が増えているというお話をしましたが、その結果、税理士の登録番号には多くの欠番が生じています。といいますのも、税理士はもちろん公認会計士や弁護士なども同様ですが、士業登録者に付与される番号は一身専属とされているため、死亡や業務廃止によって欠番になるのです。日本税理士会連合会の広報資料によると、今年4月末時点での登録者数は79,887人ですが、最新の登録番号は148,000番代となっていますから、既に68,000近い番号が欠番になっているというわけです。
この欠番は、身近な法律の条文でも散見されます。例えば、商法は平成17年に会社法に改編されたことから第32条から第500条までがごっそりと欠番になっています。会社法は歴史が新しいため削除された条文はなく、従って欠番は生じていませんが、民法では法人関係の規定の多くが削除されたこともあって条文にかなりの欠番が生じています。また、所得税法や法人税法なども税制改正に伴っていくつかの条文が削除され、欠番となっています。
ところで、欠番といえばプロ野球で顕著な業績を残した選手の背番号を永久欠番として顕彰することが知られていますが、その他にも様々な理由で連続番号に「欠け」が生じているものがあります。あるホテルが16階建てにもかかわらず、最上階が17階になっているので、「あれ?」と思って調べたところ、忌み数である「13」を避けたために13階が欠番となっていることが分かりました。忌み数といえば、過去に事故を起こした便名なども縁起を担いで欠番扱いになっています。日本航空では羽田-伊丹便で「123」という便名を封印していますが、その理由はご存知の通りです。
このように連続する番号に「欠け」があることには、何らかの理由があります。前述の忌み数なども一つの理由ですし、付番のルールから必然的に欠番が生ずるケースも散見されます。国道番号のように統廃合で欠番を生じている事例もあったりなど、いずれにしても、欠番となった理由にあれこれと思いを馳せるのも数字マニアの密かな楽しみともいえます。さて、JR京都駅には0番ホームと2番ホーム以下はありますが、なぜか1番ホームが存在せず欠番になっています。その理由や如何に…(笑)