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2021.12.27|CEOコラム

ふるさと納税の明暗 ~CEOコラム[もっと光を]vol.99

 年の瀬を迎えると、せっせとふるさと納税に励む人が増えるように思います。この時期になりますと返礼品紹介サイトのテレビCMが盛んに流れていることからも、その様子を窺うことができます。かくいう筆者も、お気に入りのワインを返礼品にしている自治体に僅かばかりの金額で「ふるさと納税」をしたところです。

 

 総務省の資料によりますと、制度導入当初の利用者数は3万人ほどだったものが、昨年には552万人に達したとのことです。金額ベースでも、当初の19億円から4,311億円と10年強の間に200倍を超える増加となっています。受入額が多い自治体は、宮崎県都城市をトップに北海道紋別市、根室市と続くようですが、これは返礼品として用意されている牛肉や帆立・蟹などに人気が集まっていることによるものと思われます。

 

 それはさておき、ふるさと納税というネーミングに違和感を払拭できないまま10年以上が経ちました。この制度は、自らが納める住民税の一部を住所地以外の自治体へ寄付するというもので、決して納税などではなく、単なる寄付金にすぎません。さらに、寄付する自治体も出身地に限られませんから、縁もゆかりもない自治体に対する寄付でもOKです。つまり、ふるさとなど何も関係がないのです。

 

 このように、その名称と実態が著しく異なる制度を歓迎していないのは、人口の多い都市圏の自治体です。前述の宮崎県都城市や北海道紋別市などは受入額が130億円を超えてホクホク顔ですが、その裏返しで住民税の控除額が多い自治体は、横浜市の176億円をトップに名古屋市の106億円、大阪市の91億円と続き、いずれも渋い顔をしています。確かに、これらの自治体では税収が100億単位で目減りするわけですから面白いはずがありません。「ふるさと納税なんて…」という恨み節が聞こえてくるようです。

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