ここ数日、地震のニュースが絶えません。先週は石川県や宮城県で、また一昨日は岐阜県で大きな揺れが観測されました。それでなくてもコロナ禍によって経済活動や日常生活が大きな影響を受けている中で、さらに地震に襲われるというのは、「もう勘弁してほしい」と誰もが思うところです。しかし、不都合な真実であっても、現実から目を背けることなく、それを直視する必要があることはいうまでもありません。
地震に関して注目しておかなければならないのは、やはり南海トラフ地震でしょう。この地震は概ね100~150年間隔で繰り返し発生していて、直近の昭和東南海地震(1944年)と昭和南海地震(1946年)が発生してから75年以上を経過した現在、次の地震発生の切迫性が高まってきていることは報道等でご承知の通りです。そして、政府の地震調査研究推進本部は「30年以内に、70%~80%」の確率で発生する可能性があるとしています。
しかし、「30年以内に、70%~80%」の確率といわれても、それが明日なのか、それとも30年後なのか、素人である私達にはピンときません。この点、ある地震学者は「2035年±5年」に南海トラフ地震は確実に起こると断言しています。つまり、2030年代には確実に発生する可能性があるというわけです。10年の幅など地球誕生以来の時間軸で考えれば、瞬間のようなものですから、かなり絞り込まれた予測だと言えます。
したがって、私たちはコロナ禍への対応を余儀なくされる一方で、最短で9年後の大震災に向けての準備もしなければならないというわけです。BCP(Business Continuity Plan、つまり、事業継続計画)は、企業が自然災害などの緊急事態に遭遇した場合に、損害を最小限に抑えつつ、事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時から周到に準備しておく必要性を説いたものですが、その理屈はともかく、いよいよ行動を起こすときが到来したように思います。