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2021.09.06|CEOコラム

策士、策に溺れる ~CEOコラム[もっと光を]vol.83

 占いの類いをあまり信じていません。同姓同名の人を何人か知っていますが、その人達が同じ人生を歩んでいるとは思えませんし、同じ誕生日の人であっても当然に違う人生を送っているわけですから、姓名判断や誕生日による占いなどには職業的懐疑心がフル回転してしまいます。

 

 それに対して、相応の根拠があって多分そうなるだろうと予想できることが世の中には少なくありません。それを占いとは言わないのかもしれませんが、間もなく目の前で起こるであろう出来事を予測することは企業経営にとっても不可欠な視点であるといってよいでしょう。

 

 たとえば、国際大運動会を強行すれば如何なる事態を招来するかは、専門家による「普通はやらない」という見立てを待つまでもなく、少しの知恵があれば容易に予想できることでした。案の定、感染者数の爆発的な増大という不幸な結果に至ったのはご承知の通りです。また、前回の東京大会閉会後には時の池田総理が辞任し、冬季札幌大会の後には佐藤内閣が総辞職、さらに冬季長野大会の後には橋本内閣が総辞職をしたという政治の歴史を知っていれば、現政権の崩壊を予想することも容易であったわけです。

 

 もっとも、そのような歴史を知らなくとも、官僚の作文を棒読みするだけで自らの言葉で国民に向けたメッセージを発することができない人物、また人事で人を動かせると思い込んでいる人物が永くトップの座に留まることは難しいと誰もが予想していたはずです。政権の裏方としては優秀な策士であったのかもしれませんが、裏方の策士が表に出ても首尾良くいかない例は、歴史を繙けばいくらでもありそうです。「策士、策に溺れる」という言葉がありますが、文字通り、それを実践して演じたという意味で歴史に名を残すのかもしれません。

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