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2021.08.23|CEOコラム

老兵の独白 ~CEOコラム[もっと光を]vol.81

 降り止まない雨や減らないコロナ感染者数のおかげで、一向に楽しくない夏が終わろうとしていますが、蒸し暑い中で奮闘した受験生諸君は一息ついているところだと思います。といいますのも、先週は税理士試験をはじめ、公認会計士論文式試験、社会保険労務士試験、中小企業診断士第1次試験などの試験日が集中する一週間だったからです。その理由は、国際大運動会の日程を優先したためとも言われていますが、そうだとしたら受験生にとっては迷惑な話です。

 

 それはともかく、こうした資格試験の受験者数が総じて減少傾向にあることが、ここ数年顕著になりつつあります。その一因として、資格取得に対するコスト・パフォーマンスが魅力あるものではなくなりつつあることや資格取得後の将来性に対する不安などを指摘する向きがあります。また、長い目で見れば少子化による漸減傾向は避けて通れないでしょうし、そもそも市場規模がさらに拡大する要素が見出しづらい現下の状況では、やむを得ないように思います。

 

 確かに、税理士79千人、会計士32千人、社会保険労務士42千人、中小企業診断士26千人が「食える」だけの市場はもはや存在しないという意見もあながち否定できません。去る6月、国税庁はAIを活用した税務相談の利用件数が前年の10倍を超える420万件になったことを明らかにし、今後さらなるAIの高性能化を図るとしていますが、そうなれば税理士による税務相談業務はゼロにはならないとはいえ、必要性は乏しくなるでしょう。同様に、監査の世界でも多くの手続きをAIが処理することによって、生身の会計士に求められるのは判断業務だけとなると、もはや32千人もの公認会計士は必要ないように思います。

 

 先日、公認会計士の登録状況について調べていたところ、筆者の登録番号に前後するところで欠番が散見されることに気がつきました。一身専属である登録番号が欠番になるということは、死亡や業務廃止などの理由で既に登録が抹消されていることを意味します。同じ時代に試験を受けて、職業会計人としての人生をスタートしたものの既にリタイアしている人たちも少なくないことを改めて知ったのですが、最新の登録番号が5桁の4万番台に達した現在、4桁の登録番号を持つ者など、それだけで全体の2割にも満たないのですから、当然といえば当然なのかもしれません。世代交代を痛感するとともに、老兵にとってはともかく、次の世代の人たちにとって、明るい業界であり続ければ幸いなのですが…

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