Menu

Column

スタッフコラム

全拠点
2021.05.24|CEOコラム

道楽の後始末 ~CEOコラム[もっと光を]vol.68

 相続人がいない場合、相続財産はどうなるのでしょうか。生涯結婚せずに子供がいなかったり親や兄弟姉妹もいないなど、法定相続人がいなければ当然に相続人は不存在となります。また、法定相続人がいたとしても全員が相続を放棄した場合、これも相続人不存在となりますから、相続財産の行方がどうなるのか気になるところです。

 

 相続人不存在の場合、家庭裁判所で選任された相続財産管理人によって相続財産の管理と清算が進められます。債権者や受遺者の有無の確認や相続人捜索の手続きを経た上で、最終的に相続人不存在が確定します。相続人不存在が確定した後に、さらに特別縁故者からの申し立てがなければ相続財産は国庫に帰属するという流れになっています。

 

 ところで、功成り名遂げたといえば聞こえはよいですが、私腹を肥やした中小企業のオーナーが巨大な観音像や大仏を建立するケースが過去にいくつか見受けられました。加賀市の北陸観音や勝山市の越前大仏、それに淡路市の平和観音などが有名です。いずれも数百億円をかけて建造され、当初は世間の関心を集めましたが、オーナーの思いとは裏腹に次第に忘れ去られ、中には廃墟と化したものもあります。

 

 廃墟となった淡路市の平和観音に至っては、法定相続人全員が相続放棄をした結果、最終的に国庫に帰属することになりました。国有財産になった高さ100メートルもある醜悪な観音像は、老朽化による倒壊の危険があることから解体されることになったようです。その解体に要する費用は、なんと8億8千万円。中小企業のオッサンの普請道楽の後始末に巨額の公費が投入されることに違和感を禁じ得ません。持って死ねないカネですが、有効に使わないと死んでからも笑われ続けるのですが…

メールマガジン
登録
お見積り
ご相談