コロナ禍における2回目のゴールデンウィークも半ばを迎えましたが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。そんな質問をするまでもなく、みなさん今年もご自宅で静かに過ごしておられるのだと思いますが、溜まっていた書類の整理ができたとか、読む時間がなかった書籍にゆっくり目を通すことができたといった副次的な効果もあるのではないでしょうか(笑)。
さて、連休をはさんで3月決算上場会社の決算短信が相次いで発表されています。その中で飲食系や交通系の会社の傷み具合が予想以上に大きいことを改めて痛感しています。先週末のプレスリリースから任意に拾ってみますと、回転寿司のアトム18億円、かっぱ寿司を展開するカッパ・クリエイト11億5千万円、JR西日本2,332億円、JR東海2,015億円、JR東日本5,779億円、ANAホールディングス4,046億円の損失を計上しています(いずれも連結ベース)。
三度目の緊急事態宣言を受けて、上場会社が運営している飲食店でも休業を決めているところや鉄道会社でも終電の繰り上げや日中時間帯での減便などを余儀なくされ、傷口はまだまだ拡がりそうな気配ですが、その一方で関与している会社の損益計算書からは一つの明確な傾向を読み取ることができます。そうです、いずれの会社においても接待交際費と旅費交通費が例外なく、それも著しく減少しているのです。
会食が制限され、テレワークやウェブ会議の浸透によって移動の機会が減少しているのですから当然といえば当然なのですが、マクロで見た収益と費用はこのような形でバランスしていることを改めて認識しています。それにしても、社長が「ウチは売上げを確保するために一定額以上の交際費を使わざるを得ない」と口癖のように言っていた会社では、コロナ禍にもかかわらず売上高がほぼ横ばいで推移する中、交際費だけが半減していました。で、「社長、交際費ってそれほど使わなくても売上げは維持できていますね。今までの交際費って、ひょっとして社長の一人飲み代でしたか(笑)」