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2021.03.22|CEOコラム

肝っ玉の大きい取り組みを願って~CEOコラム[もっと光を]vol.59

 令和2年度第3次補正予算で1兆1,485億円が計上された「中小企業等事業再構築促進事業」、いわゆる事業再構築補助金ですが、既に明らかにされている事業の概要に加えて、去る3月17日に指針とその手引きが公表されました。

 

 この補助金事業の趣旨はポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために中小企業等に思い切った事業再構築を促すための必要な支援を行うことにあります。経済産業省のリーフレットでも「新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する、所定の要件をすべて満たす中小企業等の挑戦を支援します!」と説明されています。

 

 しかし、この「所定の要件」について前述の指針とその手引きで明らかにされたところによると、その中身は当初想定されていたものより若干ハードルの高いものになっているようです。そこでは事業再構築を「新分野展開」、「事業転換」、「業種転換」、「業態転換」に分類し(事業再編を通じてこれらを行う場合を含む)、それぞれの定義を明確にした上で「所定の要件」を定めているのですが、その内容は案外厳しく、示されている具体例からも補助金の受給対象となることが思ったより簡単ではないことが窺われます。

 

 「企業の思い切った事業再構築を支援する」という制度の導入趣旨から、その「思い切り」には相応の覚悟なり決断を求めることにも一理あるとは思いますが、あまりハードルを高くしてしまうと、コロナにもがき苦しみながら何とか活路を見出そうとしている中小企業等の努力に冷や水を浴びせることにもなりかねません。補助金の受給に関しては詐欺として摘発される事例も散見されることから(過日、税理士法人が主導した悪質事例も報道されていました…)、慎重にならざるを得ない面も否定できませんが、大規模予算を投じた折角の政策ですから、肝っ玉の大きい取り組みにしてほしいと願うばかりです。

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