今から45年以上も昔の話ですが、大学に入るやいなや授業もそこそこに四輪の免許を取りに行きました。とはいえ、いわゆる自動車学校などは女子供の行くところという変なプライドがあって、二輪時代に引き続いて免許試験場へ直接受験に赴いた次第。しかし、当時の試験官は意地悪で簡単には合格点をくれませんから、これが苦労の連続…(泣)
で、何回目で合格したのかは内緒にしておきますが(笑)、無事に免許を取ったからには早速にクルマを運転したいのが人情。家族が乗っていたクルマを乗り回しているうちに、そのクルマの買い換えの話が持ち上がって、カタログを取り寄せたりしたのですが、当時の大衆車のグレードといえば、STDとDXの二択。つまり、STD=Standardが標準車で、DX=Deluxe が豪華車というわけです。もっとも、DXといっても、外装になにがしかの装飾が加わり、ラジオなどが標準装備されていてオートマチックが選べるぐらいの差でしかなかったように記憶しています。
その後、大衆車も進化し、車種が増えると同時にグレードも多様化し、GL(Grand luxury)やSL(Sport luxury)などが登場しましたが、やはり印象に残っているのは、DX(Deluxe)です。で、最近、このDXなる言葉をよく聞きますので、いったい昔のクルマのグレードがどうしたのかと思っていたら、なんとそれは「Digital Transformation」のことだそうです。なぜDTと略さずにDXなのかよく分かりませんが、要は企業が避けて通れないデジタル技術による業務やビジネスの変革のことを表しているのだとか。
このDX、コロナ禍によって一気に認知度が向上したようで、したがって耳にする機会も多くなったというわけです。経済産業省の資料では「コロナ禍によって人々の固定観念が変化した今こそ企業文化を変革する機会。ビジネスにおける価値創出の中心は急速にデジタルに移行しており、今すぐ企業文化を変革しビジネスを変革できない企業は、デジタル競争の敗者になる」と説明されています。そして、「常に変化する顧客や社会の課題をとらえ、素早く変革し続ける能力を身に付けること、その中ではITシステムのみならず企業文化(固定観念)を変革することが重要」といわれています。まあ、今さら言われなくても、その通りだとは思いますが…