読者のみなさん、明けましておめでとうございます。今年も時宜を得たテーマでコラムの更新に励みますので、どうか引き続きよろしくお願いいたします。さて、コロナ禍の中、2021年の幕が開きました。昨年の今頃は、2020年が良い年になるようにと期待に胸を膨らませていましたが、結果は言うまでもなく惨憺たるものでした。もっとも、厄災が永遠に続くことはなく、人智によって必ず出口が見えてくるのだとは思いますが、それがいつになるのか見通せないことが不安を払拭できない一因になっています。
感染拡大の第三波が襲い来る中、「年末年始は自宅で静かに過ごそう」という要請に応えて自宅で過ごしましたが、大晦日に紅白歌合戦を見ながら年越しそばを食べるなど、ここ10年ほどなかったことで、却って新鮮にすら感じました。元日に届いた年賀状にその日のうちに目を通すことができたのも「Stay Home」という呼びかけのおかげかもしれません。
その年賀状には、多くの方々から一刻も早いコロナ禍の収束を願うメッセージが寄せられていました。明けない夜はない、止まない雨はないといった趣旨に加えて、印象に残ったのが「やっておけば良かったと後悔するより、やっておいて良かったと安堵すること」とのコメントでした。厄災に対処するにあたっては、事前の対策が肝要との心構えを説いたものですが、経営の世界にも通用する教訓だと思います。
税理士法人の2020年を振り返って「やっておいて良かった」ことの一つに高崎事務所の分離があります。高崎事務所は、同じ「ひかり税理士法人」を名乗りながらも法人格は別という状態にあったため、合併を視野に入れた二法人体制の解消を検討していましたが、結論は分離・離脱となりました。離脱する以上、もはや「ひかり税理士法人」の商号を使うことはできませんから、彼らは新たな商号で再出発することになります。昨年末に届いた登記簿謄本によると「かなた税理士法人」に変更したとのことです。結果として、ひかり税理士法人は業界で唯一無二の存在になったという意味で「やっておいて良かった」ことの一つだと振り返っています。