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2020.12.14|CEOコラム

折角の命名にも思わぬリスク~CEOコラム[もっと光を]vol.45

 コロナといえば、かつては大手自動車メーカーの看板車種の車名でしたし、海外産の著名なビールのブランド名でも知られています。また、コロナを商号とする会社も少なくなく、新潟県には東証1部上場会社もあります。あるいは、特許庁の商標検索サイトを調べるとコロナに関連する多数の商標が登録されていることが分かります。

 

 そもそも、コロナとはラテン語で「王冠」を意味することから、本来は良い印象を与える名称だったのです。だからこそ、前述の通り、多くの企業名や商品名としても選好され登録されているのだと思います。事実、前出の上場会社のサイトには、社名の由来として「創業者が実験中に見たコロナ放電の発光色と、石油コンロの研究中に暗がりで見つめたコンロの青い炎が似ていることから、これに太陽の周囲に現れるコロナのイメージを重ねて石油燃焼機器を象徴的に表現し、かつ覚えやすく親しみやすいブランド名として”コロナ”と名付け商標登録しました」と説明されています。

 

 では、なぜ人類の敵であるウイルスに「コロナ」の名称が付されたのでしょうか。調べてみますと、その理由はウイルスの姿かたちにあるようです。表面に多くの突起があり、その形状が王冠に似ていることから「コロナ」ウイルスと呼ばれるようになったらしいのですが、唾棄すべきウイルスにつける名前として相応しかったのかどうか、疑問なしとしません。

 

 その結果、今回のコロナウイルス禍によって、少なからぬ風評被害を受けている企業や製商品が存在することは否定できません。コロナの商号や商品名を扱う会社からのコロナウイルスに対する怨嗟の声は尋常ではないはずです。事実、前出の上場会社の直近の財務情報からは厳しい状況が窺え、風評被害への対応に腐心している姿が垣間見えます。その意味で折角の命名にも思わぬリスクが顕在化することを再認識した次第です。

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