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2020.11.30|CEOコラム

お世話になったハンコの供養~CEOコラム[もっと光を]vol.43

 実は事務所に大量の三文判がストックされています。以前は毎年新たに買い増しを余儀なくされていたこともあって、ついには印鑑箱に入りきらなくなりました。その数の多さに、「こんなにあったら、ハンコ屋さんができるね」と笑っていたものです。

 

 これら大量の三文判の存在は、所得税の確定申告書に押印が必要であったことに由来します。税務代理をご依頼いただいた納税者のみなさんに申告の内容と税額の説明などをしてご了解を得た上で押印いただくのが本来なのですが、遠隔地の方であったり、毎年ご依頼いただいている方の場合、「ハンコは先生の方でお願いします」となることも少なくありません。そのような場合に、事務所で三文判を用意することになり、それが年を追う毎に増えていったというわけです。

 

 ところが、コロナ禍を契機としたテレワークの浸透や行政のデジタル化を推進する政府の意向などもあって、来年度税制改正では税務に関する各種の書類に必要とされていた「押印」が大幅に見直されることになるようです。一部の実印を必要とする書類、例えば相続税の申告に係る遺産分割協議書などを除いては、ほぼ押印は不要になると仄聞しています。

 

 電子申告の普及に伴って、事務所にストックされている三文判の出番は既になくなりつつあったことは確かです。しかし、「何かの時のために…」という心配性も手伝って、事務所の印鑑箱の中身は手つかずの状態でしたが、いよいよ処分してもよい日が到来しそうです。不要になった人形を供養する神社や役目を果たした針を供養するお寺などがありますが、お世話になったハンコを供養してくれる寺社もあるそうですので、事務所にストックされている三文判たちも供養して処分するようにします。

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