今年も大学院での講義が始まりました。春の新学期ではなく、9月から開講される秋学期の講座を担当しますので、先月末から始まったというわけです。例年ですと、事務所からクルマでキャンパス最寄りの駐車場まで行き、そこから指定された教室まで片道40分ほどをかけて移動するのですが、今年は事務所のデスクから講義をしています。
ご承知のように、新型コロナウイルス感染症対策のために大学の講義も春学期は全面的にon lineでの対応となっていたようですが、秋学期からは対面でも可能になったとのことで、開講に当たって教員宛に講義形態の選択について問い合わせがありました。小職の場合、先に述べた出講にあたっての移動時間のことを考えると、ここは二つ返事でon line講義を選択したというわけです。
さて、このon line講義ですが、大学院のゼミ形式の少人数対象の講義ということもあって、リアルと全く遜色のない状況で初回を終えることができました。ディスプレイ画面を通してお互いの顔が見え、ヘッドセット越しに届く音声もクリアで双方向のコミュニケーションに支障はありません。こうした環境であれば、リアルと何ら変わるところはないというのが正直な感想です。受講した大学院生の反応も良好で、次回以降も引き続きon line講義とすることの了解が得られました。
このようにon line講義が支障なく展開できるとなると、教室という施設の必要性に疑問が生じますし、ひいては大学のキャンパスって必要なのだろうかとも考えさせられます。実験や実習を伴わない社会科学の講義だからこそ可能なのかもしれませんが、on lineで十分と考えれば、時間や場所に拘束されない「どこでもドア」ならぬ「どこでも大学院」があっても良いのではないでしょうか。大学(大学院)=リアル講義=教室(キャンパス)という既成概念は、コロナによって変化を余儀なくされています。実は大学だけでなく、私たちの業界も例外ではないのかもしれませんが(笑)