クルマには様々な種類や区分があります。乗用車か商用車か、自家用車か営業車か、小型車か普通車か。これらは登録ナンバーから識別することができますし、減価償却に関する耐用年数も税務上は概ねこれらの区分に準じて決められています。また、乗用車の場合には全長などのボディサイズによる格付けがあり、CセグメントとかDセグメントに区分されます。
一方で、価格や性能といった観点から、高級車や大衆車、あるいは低燃費車といった区分があります。また、定義が難しいのですが、スポーツカーというカテゴリーもありますし、最近ではハイブリッド車や電気自動車が増殖中であることは皆さんご存じの通りです。
ところで、こうした区分のほかにメーカーのブランドイメージを加味した「車格」といったものが語られることもありますが、この「車格」と、それを操るドライバーの「人格」が一致している保証はどこにもありません。ブランド車のドライバーが煽り運転をするかと思えば、エコカーのドライバーが暴走運転をして死傷事故を起こすなど、その不一致による不幸は後を絶たないようです。
そのような中、先日、首都高湾岸線で高性能スポーツカーが猛スピードで乗用車に追突し、乗用車の乗員2名が死亡するという痛ましい事故がありました。公開されている動画を見る限り、もはや事故というよりは未必の故意による殺人ともいうべき愚行です。つまり、スポーツカーの「車格」は一流でもドライバーの「人格」は三流以下だったといわけですが、とりわけ高性能車のハンドルを握る者は、常に「危険なモノを操っている」というリスクを認識し、それを上手くコントロールできなければ運転する資格はありません。それは企業経営も同じで、経営には常にリスクが伴うことを認識し、そのリスクを首尾良くマネジメントできなければ一流の経営者とはいえないのです。