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2020.06.22|CEOコラム

会社法を実践目線で学ぶ格好の材料~CEOコラム[もっと光を]vol.20

 先週から今週にかけて3月決算会社の株主総会がピークを迎えます。今年はコロナウイルス感染対策のこともあって、各社の総会招集通知には出席を控えて書面や電磁的方法、つまりインターネットによる議決権の事前行使を強く推奨する一文が添えられています。筆者も、その要請に応えて早々に「ネット投票」を済ませました。

 

 趣味と株主優待目当て(笑)で保有する鉄道各社や自動車メーカーなどに対して僅かな議決権を行使したところで、会社の意思決定に影響を与えることなどあり得ませんが、たとえ僅かな議決権でも、それを行使するにあたっては”会社のオーナー”としての自覚が湧くと言えば少し大袈裟でしょうか…

 

 それはともかく、経営方針を巡って会社側と大株主側が壮絶なバトルを展開している会社があります。自宅の押し入れに「Fits」というブランドの樹脂製衣装ケースがあるという方も少なくないと思いますが、その衣装ケースを製造・販売しているのが「天馬株式会社」です。同社の株主総会は今週26日の金曜日に予定されていますが、総会の招集通知に記載されている議案には株主提案として取締役8名の選任議案が上程されており、それは会社提案の議案に真っ向から対立するものとなっています。対立は委任状の争奪合戦に発展しているようで、双方がネットを通じて口撃しあうなど、第三者的にはなかなか面白い展開になりつつあります。

 

 ただ、この話題を野次馬目線で見ていては、お昼のワイドショーと同じですから、少し専門的な話をしますと、監査等委員会設置会社である同社の監査等委員会が取締役の選任に関する陳述権を行使して会社提案の取締役候補者は不適任である旨を公にしていることに注目しています。既に多くの上場会社で採用されている「監査等委員会設置会社」ですが、その評判は必ずしも芳しくない中、監査等委員会の存在に耳目が集まり、制度の是非について考える又とない機会を提供してくれているという点では、会社法を実践目線で学ぶ格好の材料と捉えています。

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