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2020.06.08|CEOコラム

コロナウイルス禍で透けて見える下心~CEOコラム[もっと光を]vol.18

 「株式会社は誰のためのものか」と問われると、答えは複数あるように思います。株主のためはもちろん、従業員のためのものとも言えます。あるいは、顧客のためのものかもしれません。株式会社が「社会の公器」と言われる所以です。

 一方、「株式会社は誰のものか」という問いに対する答えは一つしかありません。株式会社は株主のものであって、決して役員や従業員のものでもなければ、ましてや顧客のものではないのです。株式会社は営利社団法人であり、社団とは複数人が結合する団体ですから、自然人か法人かを問わず"人"によって構成されており、その"人"こそが株主なのです。

 ところが、「株式会社は株主のものである」という大原則を真っ向から否定するかのような心ない言葉に、株主の一人として強い憤りを覚えています。先日届いた某株式会社の株主総会招集通知には、「株主総会にご来場いただいても、入場をお断りする場合があります」、「体調不良と思われる方は、入場をお断りし、お帰りいただきます」と記されているのです。株主が自ら選任した取締役の事業年度総括の言葉に耳を傾け、最高意思決定者として意思表示をする機会への参加を拒むかの如き言葉であり、株主"様"に向けたものとしては失礼極まりないものです。

 株主総会も集会であり、3密が予想される中、新型コロナウイルスへの感染予防のために、できるだけ規模を縮小したいという趣旨は理解できますが、その言葉は「株主総会には来るな」としか聞こえません。少し穿った見方をすれば、コロナウイルス禍を奇貨として株主総会をスルーしたいという取締役の下心が透けて見えます。挙げ句の果てに、「本年はお土産の配付を取りやめます」とまで添えられているのには思わず笑ってしまいました。株主が土産物欲しさに総会に出席していると思い込んでいる輩に取締役の資格はありません。来るなと言われた総会に行くことはせず、インターネット投票で取締役改選の議案に全員「否」を投じたことは言うまでもありません。
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