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2020.05.18|CEOコラム

不沈艦にあやかった社名~CEOコラム[もっと光を]vol.15

 アパレル大手のレナウンが民事再生開始決定及び管理命令を受けました。コロナウイルス禍が引き金となった上場企業初の破綻と報じられています。レナウンと言えば、高級紳士服のブランドとして「D'URBAN」を展開する一方、D'URBANを逆さ読みにした「NABRUD」(ナブラッド)というブランドでカジュアルウェアにも進出し、若い世代をターゲットにした戦略が功を奏した時代もあったと記憶しています。

 レナウンの社名は名声や高名を意味する「renown」に由来するものと思っていましたが、日経新聞によれば、1922年(大正11年)英国皇太子(後のウィンザー公)が訪日した際に乗船していた巡洋艦レナウン号に由来するとのことです。同艦は第1次世界大戦を勝ち抜き、第2次世界大戦では英軍として唯一、生き残った巡洋艦であったことから、文字通り不沈艦の名前に因んだ社名を冠したようですが、その願いも虚しくあえなく沈没してしまいました。

 日本でもかつて不沈艦として知られる艦船がありました。それは旧日本海軍の駆逐艦「雪風」です。当時の駆逐艦は機動力を買われて数多の激戦海域に投入されたことから、その損耗率が非常に高かったのですが、同艦は大きなダメージを受けることなく終戦を迎え、「奇跡の駆逐艦」と呼ばれていました。終戦後も賠償艦として中華民国(台湾)に引き渡され、1971年(昭和46年)に解体されるまで30余年の寿命を全うしたと伝えられています。

 この幸運艦に因んで「雪風」を社名に冠する会社も少なくありません。ネットで検索するといろいろな業種で用いられているようですし、中には商標登録をしている事例もあります。各社とも縁起を担いで命名したことが窺えますが、沈まない船がないのと同様に、潰れない会社がないことも事実です。「経営とは生き残ることである」と言われるように、会社を潰さないためには社名もさることながら、経営者の覚悟こそが何よりも重要といえます。
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